魚食の安全・安心の確保を日本科学者会議 食品汚染シンポ開く日本科学者会議公害・環境問題研究委員会と日本環境学会は2月14日、都内で2回目の「食品汚染シンポジウム」を開催し、160人を超える参加者が集まりました。
東京・築地市場 移転計画で声明「有害物質による魚介類汚染問題と魚食の安全・安心の確保を目指して」のテーマで、美作大学大学院・生活科学研究科教授の山口英昌氏が報告。海の魚介類が水銀、ダイオキシン、PCB、カドミウムなどに汚染されている現状や各国で定められている濃度の規制値を紹介し、国際基準が定められないと対処できない日本の対応の遅れを批判しました。マグロ問題などを長年取材している静岡新聞記者の木村力氏は、この20年間にマグロをめぐる状況が大きく変化していると指摘。「商社、大手スーパーの台頭、地球温暖化が水産業の衰退に拍車をかけている」と警鐘を鳴らし、外国でも水産資源が枯渇し養殖が増えるもとで、「水産業も自給率の向上と地産地消が必要だ」と指摘しました。 「食の安全と消費者の権利」について報告した弁護士で「食の安全・監視市民委員会」代表の神山美智子氏は、安全を求める権利、知らされる権利、選ぶ権利、意見を聞いてもらう権利など消費者の権利について詳しく解説。日本の消費者行政が、国民の声を反映していないことを批判し、「自治体の条例などを使って消費者の権利に生かしていくことが大事だ」と述べました。 東京都が築地市場を土壌汚染の深刻な豊洲(東京ガス工場跡地)に移転しようとしている問題で、「市場を考える会」総務委員長の野末誠氏と大阪市立大学教授で日本環境学会会長の畑明郎氏が特別報告。野末氏は、ずさんな土壌調査、情報隠しに終始する都の姿勢を厳しく批判し、「移転は絶対に認められない」と力説しました。
シンポジウム終了後、主催した2団体は記者会見を行い、「築地市場の豊洲移転計画を憂慮する」との声明を発表。「広く都民の英知を集めて、公開された環境のもとで、豊洲地区の全面 的な再調査・再評価を実施し、結論が実証されるまでは一切の移転準備作業を凍結すること。それすらも出来ないのであれば、移転計画自体を即刻取りやめて、築地での市場再整備を速やかに再開すること」を求めています。
(新聞「農民」2009.3.9付)
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[2009年3月]
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