農水省
輸入米の購入業者名を公表
12月分 168社3959トン、1月分 251社9413トンも
関連/積極的な温暖化防止策を
農民連は03年情報公開請求
“イヤイヤ公表”の姿勢見え見え
農水省はようやく2月から、政府保有の輸入米(ミニマムアクセス=MA米)の購入業者名と購入量
の公表をホームページ上で始めました。また、政府保有輸入米の購入資格を有する799の業者名も公表しました。
農民連は2003年、農水省に対して政府から輸入米を購入している業者名を公表するよう、情報公開請求を行いました。ところが農水省は公表を拒否。そこで、内閣府の情報公開審査会に異議申し立てを行いましたが、輸入米は安全だとか公表すれば企業の利益を害するなどの理由で「農水省の拒否が妥当」として、業者名を黒く塗りつぶした答弁書を送りつけてきました。ところが今回の汚染輸入米事件で、公表を求める国民の世論に押され、とうとう公表に踏み切りました。
しかしホームページでの公表の仕方は、「ミニマムアクセス米の販売状況」の中で、最も古い平成17年度情報の、さらにその下に表示され“イヤイヤ公表”の姿勢が見え見えです。
公表された資料によると、昨年12月分の加工原料用MA米は、168業者が3959トンのMA米を買い入れました。また1月分では、251業者、9413トンに増えています(内訳は表のとおり)。業者の大半は、みそ、しょうゆ、米粉などの加工業者と、焼酎などの醸造業者です。なかには、もち販売業者や「国産大豆や米など素材にこだわった安全で安心なみそをお届けします」というキャッチフレーズの業者もあります。
最も契約量が多い業者は新潟県の亀田製菓(株)で、12月分、1月分の合計で2000トン近くになっています。その亀田製菓(株)の常務、佐藤勇氏は、農水省の「米流通システム検討会」のなかで、「できることなら、国産米100%でいろんなものを生産してお客様に届けたい。国際公約にもとづいたMA米に我々が協力してきた面があることも事実。その一方で、減反をやりながら、余った米が食用でなくエサに回っている。この制度の現状には矛盾を感じる」などと発言しています。
公害地球懇5項目で環境省交渉
農民連も団体加盟する「公害・地球環境問題懇談会(略称・公害地球懇)」は、「2・13中央総行動」の一環として環境省と交渉を行い、農民連も参加しました。要請項目は、(1)地球温暖化防止の中・長期目標の具体的な設定、(2)CO2の大口排出企業への削減の義務化、(3)地方自治体の温暖化対策に対する政府支援の強化、(4)環境政策による雇用増加、(5)アスベスト被害者への補償の充実などの5項目。
この前日の12日には、元経団連会長の奥田碩氏が座長を務める政府の「地球温暖化問題に関する懇談会」が、中期の排出削減目標について「6%増加」する案を含む6案を発表したことから、交渉では「日本政府は本気で温暖化防止に立ち向かう気があるのか」、「企業の自主行動計画まかせ、財界いいなりでなく、積極的な環境対策で雇用創出を」という厳しい批判が相次ぎました。
(新聞「農民」2009.3.2付)
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