自信と元気みなぎる
農民連女性部第20回
作って、売って
希望広げよう!
ユーモアたっぷり 多彩で生き生き
発言相次ぐ
関連/全国から120品超す“ふるさとの味”食べて飲んで歌って踊って
「作って、売って、希望を広げよう!」――農民連女性部の第20回総会が2月1、2の両日、東京都内で開かれ、各地から126人が集いました。会場には爆笑に次ぐ爆笑が沸き起こり、「食べ物は命のみなもと。農業は私の誇り」「女性部こそ農民連の大黒柱」という自信と元気みなぎる総会となりました。
“農業は私たちの誇り”
ムダなく加工し収入を増やした
今年の女性部方針は「作って、売って、希望を広げよう!」がテーマ。がんばっている女性たちに学ぼうと、日本各地から多彩な報告が相次ぎました。
兵庫県の秋山佐登子さんは、農業委員会での活動を報告しました。「荒廃農地が増えていることにビックリした。これからの農業委員会は、農地を守るという発想だけでなく、農地で作ったものでいかにもうけるか、という提案をしていかなければ」と話し、さっそく特産品の大納言小豆を加工品にした取り組みを紹介。
「たくさん出る網下米を業者に安売りするのはもったいない。米粉にして販売している」と発言したのは青森県の平川百合子さん。惣菜やミニトマトジュースなど生産物をムダなく、さまざまに加工し、朝市や道の駅などで販売して収入が増えた様子をいきいきと報告しました。
秋田県の佐々木冷子さんは、野菜を30種類もの漬物に加工していることをユーモアたっぷりに紹介。「女性部の皆さん、大根1本10円で完売して満足していてはダメ。100円の大根を400円で売れるように工夫して、もうけましょうよ!」と、呼びかけました。
農家民宿やグリーンツーリズムも各地で取り組まれています。福島県南相馬市の森キヨ子さんは、農家10戸でつくる農家民宿グループの取り組みを報告。東京からのお客さんの1人が田んぼを借りて無農薬で米作りに挑み、とうとう相馬に移住したことなどを紹介しながら、「安全安心、新鮮な自慢の農産物を、顔の見える交流でお腹いっぱい食べてもらっている。私たちもたくさんの人に出会えて、農業の楽しみが増えた」と話しました。
多彩な国際活動奮闘ぶり報告
国際活動の報告も相次ぎました。山形県の工藤美恵子さんはビア・カンペシーナ国際総会の様子を、奈良県の中元悦子さんはG8洞爺湖サミット対抗行動の「女性の日」の取り組みを報告。またビア・カンペシーナの東南・東アジア女性農民交流会に参加した福島県の渡部チイ子さんは、「インドの女性たちも、貧しくとも誇りを持って農業を続けていけるように立ち上がっていた。国は違っても、農民たちはみなWTO協定のもとで困難を強いられている。自分たちの食糧は自分たちで生産するという食糧主権の大切さを改めて感じた」と発言しました。
このほか、群馬県の井上貞子さんは鳥獣被害を痛切な思いで発言。岩手県の泉山淳子さんは、農協合併にともなって自殺者も出るほどの過酷な“貸しはがし”が行われ、「農村に不信感が渦巻いている」と悲痛な思いを語りました。
また、「安心して妊娠・出産できる社会の実現を」と日本婦人団体連合会の厚労省交渉に参加した報告(茨城・椎名知哉子さん)や、「今年こそ府連に女性部をつくります!」(京都・八木栄子さん)などの発言も。
国民が主人公になる政治へ全力
女性部長の久保田みき子さんはまとめで、「私たちの力は連帯そのもの。ますます連帯を強め、広げていこう」と述べるとともに、「女性への暴力を根絶しよう」とのビア・カンペシーナのキャンペーンを提起。「いま、農村女性が抱える困難はさまざまあるが、『受け取る側がいやなことは暴力だ』という視点で、地域の女性同士のつながりを強めていこう」と呼びかけました。また女性が1人でもできる平和へのアピールとして、「9条花壇」づくりコンテストが提案されたほか、「来るべき総選挙では、国民が主人公になれる政治の実現に向けて全力を尽くしましょう!」と呼びかけ、大きな拍手で承認されました。
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ユーモアあふれる発言に、会場はたびたび大爆笑の渦に
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韓国女性農民と互いの運動交流
総会には、韓国女性農民会(略称・KWPA)のユ・ファヨンさん、キムファン・キョンサンさんが参加しました。総会後、互いの運動を交流・討論し、韓国でもWTO協定の締結後、貿易自由化が進められ、1970年台には80%あった穀物自給率が08年には25%に急落したことを紹介しました。
総会では、婦団連副会長の中岩春子さん、新婦人副会長の玉田恵さん、全労連女性部事務局長の大西玲子さんが来賓あいさつしました。
全国から120品超す“ふるさとの味”
食べて飲んで歌って踊って
1日目夜には、女性部総会の恒例となっている交流会が開かれました。北は北海道から南は鹿児島まで、全国各地の女性たちが持ち寄った120品目を超える「ふるさとの味」で、テーブルはいっぱい。
発言にも登場した青森県の平川百合子さん作の「がばらもち」、漁民でもある宮崎美代子さん(福島県)がとってきたばかりの「水ダコ」、京都の猪肉・鹿肉も登場。煮物、漬物、ご飯物、おもち、惣菜、菓子、果物、ジュース、お酒、手作りのドブロク…などなど、お金では決して買えない、日本列島の豊かな食文化が大集合しました。
出し物では、昨年も登場した農作業を振り付けにした氷川きよしの「ズンドコ節」に加えて、今年は「お米ありがとう音頭」まで飛び出し、全員で踊って楽しみました。日本共産党参議院議員の紙智子さんが交流会に出席し、あいさつしました。
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農作業版「ズンドコ節」。腰を伸ばして一息つく仕草を踊っているところ。 |
◇訂正 2月23日号にて、以下の訂正がありました。
864号(2月16日付)1面の「漁民でもある宮川フジ子さん」は「宮崎美代子さん」の誤りでした。おわびして訂正します。
2009年3月2日、訂正しました。
(新聞「農民」2009.2.16付)
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