「農民」記事データベース20090209-863-12

船橋農産物供給センター(千葉)のよびかけ

減反で荒れた田んぼ
私たちが復田して
米づくりします

東都生協の組合員たちが挑戦


 「こんなこと、やりたかったんだよ」「なんか、おもしろそう」―減反で荒れた田んぼを復田して田んぼづくりから米づくりを始めようと農家と消費者の交流がスタート。

 昨年12月13日、東都生協(本部・東京都世田谷区)の組合員を中心に子ども10人を含む40人が、千葉県印西市の農家、菊池謙治さん宅に集まりました。

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切った竹で子どもたちも道づくり=08年12月13日
菊池さん(右)

まず田んぼへの道づくり草や低木も刈って更地に

 なんとかならないか

 これは、千葉県農民連・船橋農産物供給センター(飯島幸三郎代表)が野菜ボックスに入れたチラシの呼びかけにこたえたもの。参加費は1家族5000円。申し込みは35組60人余りになりました。東都生協でも、田植えや稲刈りの交流会はやっていますが、こんな交流ははじめて。

 企画のきっかけは、低米価のもと、後継者もなく美田が1枚、2枚と荒れていき、草ぼうぼうの田んぼがめだっていること。「なんとかならないか」という農家の声に、「それなら、われわれ農民だけでなく、米を届けている消費者と食糧危機や食の安全を考えながら、楽しく田んぼづくりから始めてみよう」(飯島さん)となったそうです。

重労働だったけど、これからが楽しみ

 やりがいあるなあ

 まずはみんなで、道なき雑木林をかき分けて荒れた谷津田へ。ススキや低木が生い茂り、足元は水がしみ込んでズブズブ状態。「え〜、米づくりできるの!?」―船橋農産物供給センター・米部会の菊池さんや松丸秀一さんたちの「10年以上こんな状態だけど、水路をつくって水を切れば大丈夫だ」との指導に、不安ながらも「いや〜、やりがいあるなあ」―農業のプロの言葉にひと安心の様子です。

 初日となった13日の作業は、荒れた田んぼまで通ずる山道づくりです。雑木林のなかに入って、竹やかん木を切り出し、こう配が急な坂には竹を切って階段状の歩道を作りました。わずか100メートルほどの歩道ですが、子どもたちも手伝って、見る間にできあがりました。菊池さんら農家の人たちも「これなら大丈夫だ。こりゃあ、これからが楽しみだ」と、豚汁ともちを振る舞いました。

 及び腰だったが…

 2回目となった1月17日、いよいよ荒れた田んぼとの格闘が始まりました。アシや低木の刈り取り、田んぼの周りの整備など、はじめてチェーンソーや自動草刈り機を使って、みんな汗びっしょり。農家から「ケガするなよ」と心配する声もかかり、はじめは及び腰でしたが、だんだん作業の仕方もわかってくると「ここはオレにまかせろ」と頼もしい声も。2時間余りの作業で更地になりましたが、これからが本番です。

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みんなが力を合わせて、なんとか更地になりました=09年1月17日

 参加した東都生協のある組合員は「思ったより重労働でしたが、意欲が増しました」「都会では体験できないことばかり。子どもにもとてもいい経験になった。これからが楽しみ」と語っています。11月の収穫祭まで、田んぼの整備、田植え、草取り、稲刈りと続きます。

(新聞「農民」2009.2.9付)
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2009年2月

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