みのう“大豆畑トラスト”を学びたい
鹿児島・JAさつま川内が研修会
講師は福岡・みのう農民組合の佐々木書記長
昨年末、鹿児島県のJAさつま川内から福岡・みのう農民組合あてに1通の手紙が舞い込みました。「トラスト制度研修会の講師依頼について」という佐々木督文書記長あてのものでした。それによると、「うかたまNav」というプロジェクトチーム(農村と都市の交流・協働を提案、「消費者の意識を変えていく」ことが目的)が、トラスト運動に取り組んでいくにあたって、みのう農民組合の大豆畑トラストの経験を聞きたいというものでした。
1月13日、初めて九州新幹線に乗り、鹿児島県薩摩川内市へ。参加したのは、JA職員や農事組合法人、行政担当者など約30人で、真剣なまなざしをいっぱい感じながら佐々木さん(写真・円内)が講演しました。
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大豆畑トラストは、ひょんなきっかけで11年前に始まりました。新日本婦人の会久留米支部の山本さん夫婦が、平和への思いとともに大豆を植え、大豆畑トラスト運動へとつながり、いまでは400人を超える大きな運動に発展しました。
また13年前、元の3町のJAが合併したとき、ちょうど青年部長。合併の記念になるような企画はないかと考え、「カレンダーに小学生の絵画を載せたらどうか」と提案しました。この提案が実現して、JAのカレンダーは、小学校5年生の絵とその説明が書かれたものが配られています。毎年、5年生の子どものいる家では、カレンダーに載りたくて家族が一生懸命になるそうです。
佐々木さんは「ものを作ってこそ農民。そこに夢をいっしょに育てなければ、食料自給率はますます厳しくなります。ともに手をつないでがんばろう」と呼びかけ、「人と人とのつながりで支えるトラストがあれば、未来は輝くかな」と話すと、JAさつま川内の寺地保幸さんは「体制ができてからやるというのではなく、走りながら考えるというのでもよいのではないか」と応え、「薩摩川内市の農業を何とかしなければ」という思いがひしひしと伝わった研修会になりました。
今後、交流を続けることを約束して鹿児島をあとにしましたが、私たちの運動がさらに大きく広がりそうで、楽しい年明けとなりました。
(福岡・みのう農民組合 金子徳子)
(新聞「農民」2009.2.9付)
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