白石淳一会長のあいさつ(要旨)
大会参加者のみなさん。農業を守り発展させるために、そして国民のみなさんに安心で安全な農産物を届けるために、全力で奮闘されていることに心から敬意を表します。 また、本大会の成功のために、会員と新聞「農民」読者の拡大に全国で取り組み、新聞は1000部の目標を超え、1097部を拡大しました。文字どおり一丸となってご奮闘いただいた全国の会員のみなさんとともに、この成果を喜び合いたいと思います。(拍手)
2年間のたたかい前大会以来2年間のたたかいは、大変激烈なものでした。自公政権による農産物自由化の推進、「構造改革」の名による農業つぶしの政策は、農産物価格の暴落という形で先鋭的に現れました。とりわけ米価では、「生産者のがまんで米生産が続けられている」という状況でした。2007年の参議院選挙で、自公政権の農業つぶしに「NO」の明確な審判が下されましたが、その後の農民連の奮闘は農水省を動かし、政府備蓄米の買い入れを柱とする対策を実現させ、全国の農協や農業者のみなさんから感謝の声が寄せられました。 私たちは、農業を生活の糧としていますから、ぜいたくするほど米価を上げろと言っているのではありません。「せめて生産費を償う米価を!」と要求しているのです。 いま、大企業が派遣労働者を多数解雇して重大な問題となっています。その背景には、利益追求のためには人間の尊厳さえも奪ってかまわないという姿勢が見えます。 農業もこの論理の犠牲になってきました。根底にある原因は同じです。「雇い止めは許さない」。そのために、ともにたたかうことを強く表明いたします。
マスコミも注目昨年は、ギョーザ事件、汚染米事件など、食の安全の問題が大きくクローズアップされました。この問題でも農民連はたいへん大きな注目を集め、毎日のようにマスコミが取材に押し寄せました。取材にきたマスコミ関係者に話を聞くと、「農民連は、農産物の輸入自由化やミニマム・アクセス米について一貫して反対している団体だ」と評価しています。このことをお互いに大きな確信にしようではありませんか。政府はミニマム・アクセス米を「義務だ」として13年間も輸入しつづけてきましたが、とうとう「輸入機会の提供」でしかないことを認め、「事故米」の積み戻しなどの対策をとらざるをえなくなっています。農政上の焦点であるミニマム・アクセス米を、世論や運動で追いつめたことは重要な成果です。
広がる「食糧主権」この20年を振り返ってみて、農産物輸入自由化とのたたかいは、農民連にとって最大のたたかいでした。政府は、WTO体制を絶対視して輸入自由化を進めてきました。農民連は国際活動を通じて、WTOの根本的な対案としてビア・カンペシーナが提唱している「食糧主権」と出会い、以来、運動の大きな柱としてきました。昨年10月のビア・カンペシーナの総会では、加盟組織が前回総会より41組織増え、食糧主権の運動の広がりと勢いを示しています。 国内でも、食糧主権の運動は確実に広がっています。昨年12月、WTO交渉の合意が模索されましたが、これに反対する4野党の緊急集会があり、その集会のアピールの中には「食糧主権を保障する貿易ルールの確立」という項目が入っていました。4野党が一致して食糧主権を明記したアピールを採択したことに、国内での運動の広がりを実感しました。
農政転換の年に世界に広がった食糧危機は、改善するどころか深刻さを増しています。世界の国々は、食糧の輸出禁止や増産の方向へ転換しはじめています。金さえ出せば世界中から食糧を集められる時代は終わっているのです。日本でも、いまこそ自由化中心の農政を転換し、食糧増産の方向へ大きく転換することが必要です。加えて、アメリカ発の金融危機は、輸出頼みの経済構造をやめて、内需拡大型の経済構造に転換することを求めています。内需拡大型経済の柱は農林漁業など第一次産業です。このことを中心に日本経済の立て直しを図ることが大事です。 今年は、必ず総選挙が実施されます。農政転換を迫る絶好のチャンスを大いに生かそうではありませんか。 今回の大会を農業・食料を守る新たな運動の出発点とするために、今後も大いに奮闘することを呼びかけ、開会あいさつといたします。
選出された新役員(敬称略)▽会長 白石淳一副会長 堂前貢、真嶋良孝、村尻勝信、根本敬 財政責任者 齋藤敏之 事務局長 笹渡義夫 事務局次長 石黒昌孝、松本慎一、吉川利明、上原実 常任委員 赤間守、今井健、上原実、小倉毅、久保田みき子、小林恭子、佐藤長右衛門、高橋マス子、坪井貞夫、野呂光夫、原弘行、宮沢国夫、村田深、目黒奈美子、森井俊弘、森谷精、横山昭三 会計監査 鈴木弥弘、早崎英夫、宇井正一 顧問 大坪求、岡田厚美、小川洵、奥登、小林節夫、佐々木健三、重富健一、嶋岡静男、下山田虎之助、高橋嘉一郎、谷口一夫、中津孝司、町田拡、松倉多助、山口和男、山下始胤
各界から連帯のあいさつ(順不同、敬称略)[第1日]▽日本共産党中央委員会委員長 志位和夫▽日本米穀小売商協同組合連合会理事長 長谷部喜通▽全国労働組合総連合議長 大黒作治▽新日本婦人の会会長 高田公子[第2日]▽全国商工団体連合会会長 国分稔▽全国食健連事務局長 坂口正明▽「軍事費削って、くらしと福祉・教育の充実を」国民大運動実行委員会事務局長 今井文夫▽日本アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会理事長 秋庭稔男▽全国革新懇代表世話人 四位直毅▽全農協労働組合連合会中央執行委員長 国分博文▽日本婦人団体連合会会長 堀江ゆり
各界からの祝電・メッセージ(順不同)▼全国農業協同組合中央会▼全国厚生連労働組合連合会▼全日本建設交運一般労働組合▼全国印刷出版産業労働組合総連合会▼日本国家公務員労働組合連合会▼全労働省労働組合▼全運輸労働組合▼全運輸省港湾建設労働組合▼国土交通省全建設労働組合▼全気象労働組合▼全情報通信労働組合▼全日本教職員組合▼全国私立学校教職員組合▼日本自治体労働組合総連合▼全国検数労働組合連合▼全国自動車交通労働組合総連合会▼全日本金属情報機器労働組合▼東京地方労働組合評議会▼自治労連東京水道労働組合▼東京地方医療労働組合連合会▼明治乳業争議団▼消費税をなくす全国の会▼「軍事費を削ってくらしと福祉・教育の充実を」国民大運動実行委員会▼消費税廃止各界連絡会▼全日本民主医療機関連合会▼全国保険医団体連合会▼働くもののいのちと健康を守る全国センター▼日本民主青年同盟▼全日本年金者組合▼日本母親大会連絡会▼婦人民主クラブ▼自由法曹団▼全国地域人権運動総連合▼安保破棄中央実行委員会▼憲法改悪阻止各界連絡会議▼原水爆禁止日本協議会▼日本平和委員会▼原発問題住民運動全国連絡センター▼憲法改悪反対共同センター▼家庭栄養研究会▼食糧の生産と消費を結ぶ研究会▼平和・民主・革新の日本をめざす東京の会(東京革新懇)▼東京靴工組合▼代々木総合法律事務所▼あかつき印刷株式会社▼(株)教宣文化社▼(株)プラス・ワン▼(株)ダンアート▼デジタルきらら▼株式会社光陽メディア▼富山花卉球根農業協同組合▼日本共産党衆議院議員 穀田恵二▼日本共産党衆議院議員 赤嶺政賢▼日本共産党衆議院議員 塩川鉄也▼日本共産党参議院議員 仁比聡平▼日本共産党参議院議員 井上哲士▼日本共産党元衆議院議員 藤田スミ▼日本共産党東京都議団
◇訂正 2月9日号にて、以下の訂正がありました。 (新聞「農民」2009.2.2付)
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[2009年2月]
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