風雪の道歩んだ20年―(下)―農民連歴代代表3氏大いに語る
大きく進んだ国際的な交流小林 日本の企業は中国や東南アジアで、日本で禁止された農薬を使い安い労働力を求めて「開発輸入」し、非難をあびています。一方で私たちは、東南アジアをはじめ世界の農民とビア・カンペシーナを通じて信頼関係を築き、しっかり交流できるのは、過去の戦争に対してキチンとした反省の立場に立ち、「憲法9条を守ろう」という運動をしているからです。食と農は、平和と切り離せない。国際的な交流をおおいに行うと同時に、平和を守ろうという国内での多様な活動が結びついてこそ、運動をさらに前進させることができます。 白石 韓国の農民会との交流が始まろうとしています。これまで二国間の交流はないんですが、さっそく2月はじめの女性部総会に来ることになっています。韓国の人たちは、日本の産直や食健連運動にたいへん関心を持っています。 佐々木 いま、世界の食と農の問題を見ると、本当に「潮目が変わった」と思う。WTOは相変わらず「関税を下げろ、自由化だ」と言っているが、食糧危機と飢餓、貧困が拡大し、各地で食糧暴動が起きている。世界の主要なメンバーがいくら声高に叫んでも、WTO交渉がまとまらない。すでに新自由主義は破たんしたということです。昨年のビア・カンペシーナの国際総会で加盟国がさらに増えましたが、まさに食糧主権が世界の本流になろうとしています。これは、私たちにとっても大きな自信になりますね。
マスコミに注目された農民連白石 この20年間を振り返って、「農民連があってよかったなあ」と思う場面 が何度もありました。昨年は、中国製ギョーザ事件や汚染輸入米の不正流通などで、農民連がマスコミからたくさんの取材を受け、注目されました。「食料自給率を向上しよう。ミニマムアクセス米は輸入するな」という呼びかけは、以前はややスローガン的に受け取られた向きもありましたが、いまは内閣府の世論調査でも国産のものを食べたいとの声が93%を超えたことに示されているように、国民の大きな世論になっています。この点でも、農民連、食健連の果たした役割はたいへん大きなものがあったと思います。 いま、アメリカ発の金融危機で輸出頼みの経済構造が破たんし、内需拡大型の経済に転換することが求められています。内需拡大の最も柱になる産業は農林漁業です。ここを中心に、町も商店も元気になる地域循環型の経済を作り上げることが必要です。そのためにも、農民連が元気を出しておおいにものを作り、仲間を増やすことです。
現場には運動の教訓がいっぱいあります。全国の仲間に大いに学びながら、もっともっと農民連を大きくしたい。それが、農民連を立ち上げ20年の間たたかってきた私たちに課せられた使命だと思っています。 (おわり)
(新聞「農民」2009.1.26付)
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[2009年1月]
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