輸入米
カビ状異物47件発見
農水省・昨年10月以降 すでに11万4000トン流通
MA米輸入・流通やめよ
農民連、食健連が緊急要請
農水省は昨年12月19日、政府が加工食品メーカーに売却したタイから輸入した米から「カビ状の異物」が発見され、きわめて発がん性の高いカビ毒であるアフラトシキンが検出された、と発表しました。
政府は、汚染米事件の反省から「事故米を二度と流通させません」と「安全宣言」していましたが、表のように10月以降、倉庫や流通段階で「カビ状の異物」による事故米が47件も発見されています。しかも11万4000トン余りはすでに流通。検査は目視で行われており、これだけ発見されるということは“危ないミニマムアクセス(MA)米”が国民の口に入った可能性さえあります。
全国食健連(国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会)と農民連は12月26日、石破農水大臣にあてて「アフラトキシンやカビ汚染米に関する緊急要請」を行い、「安全宣言」を撤回し、新たな再発防止策が講じられるまで、MA米の輸入と国内流通
をストップするよう強く求めました。
農水省担当者は「いま、農政事務所立ち会いのもと、輸入米の袋を一つひとつ新たに詰め替えて目視でカビ状の異物がないか調べている。また、専門家による『科学委員会』を立ち上げ、検査方法などを検討させる」と答弁。買い手の業者には「1カ月以内に消化すること」などを指導していることも判明しました。また、見つかった倉庫名と業者名を公表するよう求めましたが、回答を拒否しました。
これに対して「『科学委員会』の結論が出るまで流通をストップすべきだ。有識者会議の報告で『責任と自覚が欠落していた』と指摘されたが、反省のかけらもない」「倉庫内では国産米もいっしょに積まれている。関係業者は感染する恐れはないのかと心配している。農水省の指導は、カビ毒が発生しないうちにさっさと売ってしまえというものだ」「輸出国に対して堂々と『当分輸入できない』と主張すべきだ」などと強く抗議しました。
(新聞「農民」2009.1.26付)
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