“なんとか生きていけそう”非正規労働者の命支えた農民連食事と住まい提供した“派遣村”
「あたたかい食事に体ばかりか、心までホッとしました」「一人で悩んでいました。でも、ここへ来てなんとか生きていけそうです」―「派遣切り」や「期間工切り」などで仕事や住居を奪われた非正規労働者らに食事と住まいを提供しようと、大みそかの12月31日、「年越し派遣村」が開設されました。村長は、NPO法人自立生活サポートセンターもやい事務局長の湯浅誠さん。名誉村長は、反貧困ネットワーク代表で弁護士の宇都宮健児さんです。厚生労働省が目の前にそびえる日比谷公園(東京都千代田区)に、1月5日までに500人余りの労働者が入村しました。またボランティアの数はのべ約1700人で、農民連本部からも参加しました。
「国民の苦悩あるところ農民連あり」―阪神・淡路大震災以来行ってきた救援活動の伝統を発揮して、農民連は全国から米や野菜、くだものなど炊き出し用の食材を届け、年末年始、路頭に迷うおそれのある労働者の命を支えました。救援テントには、農民連の「労働者を使い捨てにするな。今、闘いの時」と書かれた横断幕が張られ、長野から届いたモチ米の袋には「オレの作った米を食って元気出せ」の寄せ書きも。
開村式であいさつした農民連の笹渡義夫事務局長は「農民は“同情”して食材を届けているのではない。農民も米を作るのに時給179円で、最低賃金をはるかに下回る収入しかない。新自由主義による農作物の買いたたき、そして海外依存は、労働者の『使い捨て』とうり二つだからだ。政治を変える契機にしよう」と、連帯の決意を述べました。 突然解雇を通告され、寮を追い出されたという30代の青年は「ネットカフェを転々としています。マスコミの報道でここに来ましたが、5日以降が心配。なんとか仕事と住むところがほしい」と話していました。 厚労省は1月2日、講堂を開放して公園のテントで寝泊まりしている労働者を一時受け入れましたが、衣食住と就労先の確保は政治の責任です。
派遣切り解雇中止を指導せよ国民大運動実行委が厚労省に緊急要請農民連も加わる「軍事費削って、くらしと福祉・教育の充実を」国民大運動実行委員会は1月6日、国会内で舛添要一厚労大臣に会い、「派遣切りや解雇をただちにやめさせるよう大企業を指導することなど、13項目にわたる緊急要請を行いました。
(新聞「農民」2009.1.19付)
|
[2009年1月]
農民運動全国連合会(略称:農民連)
本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224
Copyright(c)1998-2009, 農民運動全国連合会