「農民」記事データベース20090105-859-09

旬の味


 「食糧主権の確立」、これほど農民や消費者を励ます言葉はない。農民連が3年前に香港で開かれたWTO閣僚会議に参加して、初めて耳にしたスローガンだ▼その時、WTOに加盟する過半数の国が、アメリカや穀物メジャー主導の市場原理・貿易自由化万能論に反対し、交渉は四たび決裂した。この行動に参加して、自分たちが孤立してたたかっていたのではなく、多くの国が大きく変化していることを知り、驚いたものだ▼アメリカからはじまった金融危機が世界中に広がるなか、昨年12月、ブッシュ退陣のドサクサにまぎれ、金融サミットなど首脳会議を圧力に“駆け込み合意”をねらったWTO閣僚会議は、同意を得られず会議さえ開けなかった。この閣僚会議を目前に、野党4党が緊急集会を開き「食糧主権を保障する貿易ルールの確立に向け断固たる交渉姿勢を」と決議した▼1993年12月に細川内閣がWTOを受け入れてから16年。今年こそ、国政革新と新しい貿易ルール確立の第一歩にしたい。

(慎)

(新聞「農民」2009.1.5・12付)
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2009年1月

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