「農民」記事データベース20081222-858-17

旬の味


 米の収納も終わり、一息ついた農村だが、米価は昨年より若干上がったとはいえ、昨年の落ち込み分を取り戻したわけではない▼ガソリン、灯油の高騰は、身も懐も冷え冷えとさせている。WTOによる自由化や「米政策」、国民への危険な食糧の供給など、食と農をないがしろにしてきた政府のやり方に、国民は怒っている▼「雨ニモ負ケズ」で知られる宮沢賢治の生きた時代の農村は、米価の高騰に木炭安、繭価の暴落、そして不況。銀行の支払いが停止され、中等学校からの中退者や授業料の滞納者が続出し、欠食児童が大量に生まれた。侵略戦争に向けた教育統制が強まるなか、教職を去った賢治は、1926年に労農党が誕生したとき、期待を持ってこれを見つめた。「君たちがみんな労農党になってから、それから本当の俺(おれ)の仕事が始まるのだ」(詩「黒土からたつ」から)▼いま、耕種も畜産も経営が限界で生活も苦しい。だからこそ強大な農民連を、そして食糧主権を確立するたたかいを広げよう。

(実)

(新聞「農民」2008.12.22付)
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2008年12月

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