村と住民の助け合い
自律の精神 いいもんだなぁ
栄村政を大いに学ぼう 長野
「高橋彦芳さん、ごくろうさまでした。栄村の自律の精神、支えあう心を学んで明日への糧にしよう」―12月6、7の両日、40人が呼びかけ人となって「栄村に学ぶ集い」が開かれ、長野県下はもちろん、遠くは福島県や首都圏などから130人余りが参加しました。
(赤間守)
住民の知恵や技を生かして
村独自に田直し・道直し
5期20年のあいだ、長野県栄村の村長だった高橋さんは、今年4月に勇退。開会あいさつで、呼びかけ人代表で農民連顧問の小林節夫さんが「高橋さんに感謝するだけでなく、高橋村政をおおいに学ぼう」と、参加者に呼びかけました。
島田茂樹村長が歓迎のあいさつ。スライド映像で「栄村に学ぶ」を見た後、リレートークでは、長野県阿智村の岡庭一雄村長、兵庫県宝塚市出身で地元の青年と結婚した山本理恵子さん、「小さくても輝く自治体フォーラム」を開催している自治体問題研究所の竹下登志成さん、農民連常任委員の赤間守、社会教育生涯学習研究所の島田修一さんが、それぞれの立場から「栄村から学んだこと」を語りました。
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写真家・前沢淑子さんから花束をうけとる高橋彦芳さん
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住民の直接参加
栄村の女子小中学生が中心となって「栄ふるさと太鼓」を豪快に演奏し、高橋彦芳さんとおじいさん、おばあさんたちが「からす踊り」を披露。最後に高橋彦芳さんが「実践的住民自治の過去・現在・未来」と題して講演。「実践的住民自治とは、行政が仕事をするなかで可能なかぎり、直接住民の参加を求めていくこと。公共の場は行政の独占の場ではない。自立した公共の担い手として住民が知恵や技を生かし、行政との協働をさらに進めよう」と述べると、大きな拍手に包まれました。
希望を聞いて…
2日目は、福祉・介護や農業、教育や観光など4つの分科会に分かれて学習しました。このうち「田直し・道直しの現場で話を聞く」分科会では、村職員のオペレーターや高橋彦芳さん自らハンドマイクを取り、「まず、住民の希望を聞いてから設計図を作り、住民といっしょに事業を進めている」という栄村独自の土地改良事業や道路修繕事業を説明。参加者は「助け合いって、いいもんだなあ」と感心しきりでした。
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オペレーター(右端)から田直し事業の説明を聞く(右側2人目から)小林節夫さん、南牧村の菊池幸彦村長、高橋彦芳さん |
(新聞「農民」2008.12.22付)
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