日本・世界の農業を破壊する議長案WTO 年内合意を断念食健連、農民連が農水相に申し入れ
WTOマヒ状態WTO(世界貿易機関)は、ドーハ・ラウンドの年内合意を断念しました。ブッシュ退陣のドサクサにまぎれ、金融サミットなど首脳会議の圧力を使って、駆け込み合意をねらっていた大国やWTO事務局の思惑は破たんしました。WTO交渉は1999年以来、今年7月まで決裂を繰り返し、「集中治療室と火葬場の間にいる」状態に陥っています。断念の理由として、ラミー事務局長は「年内に閣僚会合を開くのは、WTO体制を許容しがたい危険にさらす」と述べましたが、これは、自らリードした年内決着の筋書きが完全に狂い、このままでは「火葬場」にさらに近づくことを自認したものです。 同時に、世界各国の幅広い反対にもかかわらず、年内決着をめざしながら閣僚会合を開くことさえできなかったことは、WTOの深刻な機能不全ぶりを改めて浮き彫りにするものです。 いまこそ、破たんが明白なWTOに対する根本的な対案である「食糧主権」にもとづく貿易ルール確立の時です。
全国食健連(国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会)と農民連は12月8日、「日本と世界の農業を破壊するWTO協定改悪案は、断固拒否すること」などを農水大臣あてに申し入れました。また、ビア・カンペシーナなどが作った各国政府への公開要請書「ドーハ・ラウンドは問題であって、事態の解決ではない」を手渡しました。日本共産党の紙智子参院議員が同席しました。 申し入れでは参加者から「悪い案は拒否すべきであり、強い態度で交渉にのぞむべきだ」「米余りの日本にさらに米輸入を押し付けることは、世界の食糧危機や米不足をまったく見ようとしない、“宇宙人”の議論だ」などと指摘しました。
(新聞「農民」2008.12.22付)
|
[2008年12月]
農民運動全国連合会(略称:農民連)
本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224
Copyright(c)1998-2008, 農民運動全国連合会