国産志向・食の安全性から
いま“米粉”ブーム
千葉・房総食料センター大木和代さんに
“その魅力”を聞く
消費者の国産志向や、食の安全性への意識の高まりなどから、いま、国産のうるち米を粉にした「米粉」が大注目されています。千葉・房総食料センターが会員農家のお米を原料にして委託加工している米粉も、生協出荷などで大好評。「米粉って何?」「料理方法は?」「どうして今ブームなの?」――房総食料センターの大木和代さんに米粉の魅力を聞きました。
モッチリ・しっとり・とろーり感…
小麦粉と同様に使え料理に幅も
日本では昔からお米を粉にひいて、さまざまに調理してきました。もち米からつくる白玉
粉、柏もちやまんじゅうに使われるうるち米を粉にした上新粉、もち米を蒸して粉にした道明寺粉(桜もちの材料)など、一口で米粉といっても種類はいっぱい。なかでもうるち米でできた米を「米粉」と呼ぶことが、最近では多いようです。
米粉ブームの背景には、製粉技術の向上で、より細かい粒子の米粉ができるようになったことがあります。小麦粉と同じように使える米粉が増え、料理の幅も広がってきました。
米粉の特徴は吸水性が良く、モッチリ感、しっとり感、とろーり感、サクサク感に富んでいること。デンプンが豊富でグルテンが少なく、とろみ付けに使ってもダマにならない、食物繊維が豊富でゆっくり消化されるので、血糖値が上がりにくいなど、いいことがたくさんあります。
房総食料センターの米粉は、一晩水につけたうるち米を、水ごと機械で水挽(び)きして、脱水・乾燥させたもの。上新粉などに比べて粒子がとても細かく、ケーキなどのお菓子作りにもピッタリです。
調理方法は、小麦粉の薄力粉や片栗粉と同じように使えます。揚げ物やソテーの衣などのほか、シチューやあんかけのとろみ付けにすると、「ダマにならず失敗しない」と利用者から好評です。ケーキにすればしっとり、ピザ生地ならモチモチにと、安全・安心な国産米粉を使って、料理のバリエーションを広げてみてはどうでしょうか。
〈かんたん おいしいレシピ〉
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房総食料センター婦人部とっておきの、カンタンでおいしい米粉レシピを紹介します。 |
米粉チーズケーキ
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米粉シチュー
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チーズケーキ
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シチュー
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ミキサーと電気炊飯器を使って作る簡単チーズケーキ。でも味はしっとり、本格派。
《材料》
米粉(80グラム)・クリームチーズ(200グラム)・バター(少々)・レモン汁(少々)
A(卵(3個)・生クリーム(200cc)砂糖(80〜100グラム))
《作り方》
(1)クリームチーズをレンジで少し温めて、柔らかくしておく。(常温より少し柔らかめがおすすめ)
(2)炊飯器のかまにバターを塗っておく。
(3)クリームチーズとAの材料すべてをミキサーに入れ、クリームチーズのかたまりがなくなるまで混ぜる。(20〜30秒)
(4)(3)のミキサーに米粉を入れ、さらに30〜60秒混ぜる。
(5)最後にレモン汁少々をいれ、10秒くらい混ぜる。
(6)炊飯器に材料を移し入れ、「炊飯」のスイッチを入れる。スイッチが切れたら竹串などをさして、生地がついてきたら再度スイッチを入れ、生地がついてこなくなったら出来上がり。(機種によってはスイッチを数回入れる必要がある)
(7)スイッチが切れたら保温せずに釜を取り出し、釜が冷たくなってからチーズケーキを出す。
(8)冷蔵庫で冷やしていただきます。 |
ホワイトソースを作らず簡単。ヘルシーなシチューです。
《材料》
鶏モモ肉(1枚)・タマネギ(1個)・ニンジン(1本)・ジャガイモ(4個)・米粉(大さじ4)・牛乳(200cc)・固形スープの素(2個 お好みで)・塩、コショウ(少々)・水(2カップ)・油(少々)
《作り方》
(1)米粉と牛乳をボウルに入れ、混ぜる。これがルーの代わり。
(2)鍋に油をひき、2センチ角に切った鶏肉をいため、乱切りにしたニンジン、ジャガイモ、くし切りにしたタマネギを加えてさらにいため、水2カップを注いで煮込む。
(3)野菜が柔らかくなったら、(1)のルーをよくかき混ぜながら、鍋に加える。とろみがついたら、出来上がり。 |
(新聞「農民」2008.12.8付)
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