農民連顧問 椎名 正男さん逝去
11月25日、農民連顧問の椎名正男さん(元常任委員、元千葉県連執行委員長)が病気のため逝去されました。謹んでお悔やみ申し上げます。享年78歳でした。
椎名 正男さんの思い出
農民連元代表常任委員 小林 節夫
椎名さんはたたかう農民運動家だった。まだ農民連ができる前、農民懇時代の1987年暮れのこと、「まだ自由化されていない農産物を全部自由化しろ」というアメリカの要求を呑むために、当時の竹下首相が来春早々訪米するのに反対しようと、全国に呼びかけた。
農民懇は、まだもっぱら農政問題で政策提言とか見解発表しかできなかった時代で、独自にたたかうとか大集会など思いも及ばない時代だった。このとき「いまたたかわずしていつたたかうか」というファクスを全国の都道府県組織に送ったのが椎名さんだった。
今と違ってファクスは型が旧く、一通ずつ送らなければならないから時間がかかった。椎名さんは家に帰らず、事務所で立ったまま、片手に焼酎の入ったコップを持って、徹夜で送信した。そして集会は大成功し、翌年の農民連発足への大きなステップになった。
成果があったときでも「おれが、俺が…」という言葉を聞いたことはない。いつも千葉の現場の運動を反映したものだった。愛想と無縁な不器用な人だった。
椎名さんと義民佐倉宗吾を祀った「宗吾霊堂」に行ったとき求めたキーホールダーが、椎名さんを毎日偲(しの)ぶものとなった。
(新聞「農民」2008.12.8付)
|