「農民」記事データベース20081208-856-03

「九条の会」が全国交流会

多彩に重厚的に広がる活動

地域・職場学園などに
全国で7300近くの「会」


農林水産九条の会
9条田んぼ・9条りんご
目に見える取り組みに注目

画像 著名な知識人9人が呼びかけて結成された「九条の会」は今年で5年目を迎え、地域、職場、学園など草の根の「九条の会」は、全国で7300近くまで大きく広がっています。これらの「会」の代表ら926人が参加して、11月24日、「第3回全国活動交流集会」が東京都内で開催されました。

 午前の全体会では、4人の呼びかけ人があいさつ。作家の大江健三郎さんは、「政治的な平和主義だけでなく、一人ひとりの生き方の規範としての平和主義が大きな力になる」と述べ、集まった人たちを励ましました。憲法学者の奥平康弘さんは、田母神前空幕長の「論文」について、「稚拙な内容だが、それがマスコミをにぎわす状況には警戒が必要」と指摘。作家の澤地久枝さんも、「自衛隊幹部の逸脱を裁かないのは危険」と警告しつつ、「子や孫にも受け継がれ地に根を張って広がる九条の会の活動は、やたらなことではつぶせない」と述べました。また、哲学者の鶴見俊輔さんは、「政治家が描く『戦後』のイメージは、復活した一流国家の幻想だ」と批判し、敗戦直後の庶民の気持ちに立ち返ることの重要性を強調しました。

 9条もつ日本が和平の仲介こそ

 続いて日本国際ボランティアセンターの谷山博史代表理事が、アフガニスタン情勢について「特別報告」を行いました。谷山さんは、「『対テロ戦争』が民間の犠牲者を増やし、人々の間に憎しみを広げている。和平の仲介こそ9条を持つ日本の役割」と訴えました。

 午後からは12の分散会に分かれて討論。全国の地域、職場などでくりひろげられた多彩な活動が交流されました。「農林水産九条の会」からも山本博史さん(農民連参与)が発言し、13道府県に会ができ、ニュースを発行したり学習会に取り組んでいることを報告しました。とくに、農業者の知恵を生かした「9条田んぼ」や「9条りんご」のとりくみを写真を示しながら紹介すると、目に見える具体的な取り組みが参加者から大きな注目を浴びました。

 最後の全体会では、各分散会の成果を交流したのち、(1)地域ごとの創意ある取り組みで憲法を生かす過半数の世論を、(2)学習を強め、明文改憲も解釈改憲も許さない力を、(3)小学校区単位の「会」を結成し、交流のネットワークを、という「よびかけ」を採択して閉幕しました。

(新聞「農民」2008.12.8付)
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2008年12月

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