「農民」記事データベース20081117-853-12

本の紹介

中川晴弘著
那賀川―仁宇谷の百姓一揆


一揆の先人のメッセージを
みずからの足で掘り起こす

画像 徳島県の剣山を源に、東に流れる那賀川の中・上流にある那賀町は、2005年3月、5カ町村が合併して生まれた町です。この那賀町はまた、丹生谷(にゅうだに、古くは仁宇谷)と呼ばれる奥深い谷々からなる地域でもあります。

 この地で今から190年余り前、1819年に過酷な貢租に抗して3000人の農民が一揆に立ち上がりました。

 この仁宇谷の百姓一揆にかかわりのあった先人たちのメッセージを掘り起こし、光をあてたのがこの本です。また、那賀川ぞいに点在する義民供養塔や百姓衆が集まった阿井の河原、一揆の中心人物であった勝郎太の墓など、写真もたくさん。読みやすいように、物語り仕立てになっています。

 東京から生まれ故郷の那賀町に帰った作者の中川晴弘さんは、元「しんぶん赤旗」の記者。「対立と分断支配の社会に沈黙するのではなく、誰もが胸を張って『国民が主人公』といえる社会を築くため、現代に生きる者としてのエネルギーを発揮したい。一揆の先人たちにこたえる道はここにも開かれているのではないだろうか。こういう思いを込めて、私は『仁宇谷の百姓一揆』を語り継いでいく一人でありたい」と語っています。温故知新、ぜひ一読をお薦めします。

▼頒価1500円。
 注文は中川さんあてTEL0884(62)0401まで。

(新聞「農民」2008.11.17付)
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2008年11月

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