農のこころ

丸山美沙夫

　こんとんの世の裏側の葱畑

　　　　　　　　　　伊達みえ子

　俳誌『夕凪』から。冬野菜の一つとして、古来から広く栽培されている葱は、庶民的な味の好みを現代人の食生活に生かしているからだろう。関東は葉鞘の白い部分の長い「根深」、関西は葉の部分を長く作った「葉葱」が好まれている。収穫を真近にした葱畑に立って「こんとんの世」を、しっかり見据えている出番とも。