暮らしと平和守る
女性の力広げよう
第53回はたらく女性の中央集会
「ストップ!海外派兵恒久法」「守ろう9条!生かそう憲法」「つくろう!人間らしくはたらくルールを」をスローガンに、10月25、26の両日、「第53回はたらく女性の中央集会」が、東京都内で開催されました。この集会は、全労連女性部、新婦人、全商連婦人協、農民連女性部などさまざまな階層の働く女性たちが、働く権利や暮らし・労働条件の改善、平和・男女平等の実現などを目指して、交流し討論しようと開かれたもの。のべ770人が参加しました。
1日目は全体集会。アフガニスタンでPKO部隊のスタッフとして紛争処理と武装解除を指揮した伊勢崎賢治さん(現在は東京外語大学院教授)が講演。アフガン紛争が、日本とは何の条約も結んでいないNATO(北大西洋条約機構)による集団的自衛権を行使した戦争であることを強調し、「日本は、こんな戦争に国民的議論もないまま、軍事支援しようとしている。日本がするべき世界への貢献は、戦争の予防。憲法9条を生かして、平和外交を」と訴えました。
壇上には、「働く権利を守れ」「男女差別を許すな」と裁判でたたかう女性たちが登壇。主催者を代表して、実行委員長で全労連副議長の柴田真佐子さんがあいさつ。「目前にせまった総選挙では、大企業中心、アメリカいいなりの政治を変えさせましょう。生活と雇用を守って、人間らしい社会を実現していきましょう」と呼びかけました。
9パン・カステラ販売
農民連 開会前に売り切れ
1日目の会場では、農民連が東京・大田区のパン屋さん「ポルカドット」の9パンや田舎パン、千葉・多古町旬の味産直センターの9条カステラ、千葉・房総食料センターのインゲンなどの野菜を販売し、とくに9パンやカステラは開会前に売り切れとなるほどの大好評でした。
集会後、「テロ特措法反対!」「はたらくルールを守れ!」「日本の農業を守れ!」などとシュプレヒコールをしながら、パレードしました。
国産食材使って“賢い消費者”に
分科会で笹渡事務局長が助言
食の安全・学校給食、低価格など 活発に討論
はたらく女性の中央集会の2日目、「“持続可能な地球”のために〜世界と日本の食糧危機」の分科会には、50人近い女性たちが参加し、活発な討論を繰り広げました。
助言者として、農民連の笹渡義夫事務局長が報告。世界中で広がる食糧危機を紹介し、農産物の輸入自由化路線が食料自給率を低下させ、汚染米事件を引き起こし、食の安全をおびやかしてきたことを指摘。「今こそ食糧主権を確立し、国家的規模で大増産プロジェクトに立ち上がろう」と呼びかけました。
会場からは、農民連女性部の高橋マス子さんが「生産の現場は今、飼料や資材の高騰と、低迷する農産物価格とで、厳しい状況のなか、生産を続けている」という実情を訴えました。
消費者の立場からも、自らの食生活と密着した発言が相次ぎました。「生協に入っているが、安全性が不安だ」、「日本の食と農業を守るために、私たち消費者は何をしたらいいか?」、「この分科会に参加して、食や農業がグローバルな問題だと初めて知った。私一人が努力しても…と思っていたが、自分のできることから始めていきたい」といった率直な意見も。
「新婦人産直で、農家と消費者がお互いの思いをぶつけあえる関係を築いてきた。食べたい物を疑問も持たずに買ってくるのではなく、“賢い消費者”になって、本当に安全で、安心できるものを選んで買おう」と提起する発言もありました。
また、学校給食に地産地消・国産の食材をつかう取り組みや、食育に関する発言、遺伝子組み換え食品の危険性など、多彩な討論が続きました。
(新聞「農民」2008.11.10付)
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