「農民」記事データベース20081103-851-05

税金問題Q&A


50年ぶりに相続税が変わるのか

  相続税が50年ぶりに変わると聞きましたが。

  政府税制調査会は2009年度の税制改正の中で、相続税制度を、現行の法定相続分課税方式から遺産取得課税方式に変えようとしています。早ければ、2010年度から実施されます。これは、自民党が昨年12月に発表した「税制改正大綱」にもとづくもの。

 法定相続分課税方式とは、各相続人が法定相続分で財産を分けたと仮定して、家族全体で負担すべき相続税額を計算し、実際に分けた財産の割合に応じて相続税を負担する方法で、家族単位の課税方式と言えます。

 一方、遺産取得課税方式は、各相続人が実際に取得した財産について、相続人ごとに相続税を計算する方式で、財産を取得した各人ごとに一定の基礎控除額を設け、それを超えた課税対象額に累進税率を乗じて、各人の納付税額の納付義務を負うことになります。

 東京では「この改正は都市農業をつぶすもの。断固反対」と1700人もの農業者が集まって「危機突破大会」が開かれています。反対の理由は、遺産取得課税方式では相続財産が大きいほど累進で高い税率がかかることになり、これからのがれるために、農地の均分相続が増え農地の細分化が進み、農家崩壊の危機を招くことになること。同時に、基礎控除を引き下げて、今まで相続税の負担がなかった地域や少なかった地域にも、重税を課そうというものです。

 「危機突破大会」では、都市農業を守るために、生産緑地法による農地指定と相続税納税猶予制度の堅持、相続税納税猶予制度適用農地にも貸借が可能となるよう制度の改善を求めています。

(税対部)

(新聞「農民」2008.11.3付)
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2008年11月

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