汚染米

農民連、食健連の要求で対策次つぎと実現

　農民連と全国食健連は、「汚染輸入米」事件が発生してから、数回にわたって農水省や厚労省に真相の徹底究明と再発防止を求めて要請。9月19日には150人余りが参加して緊急中央行動に取り組んできました。こうした取り組みが、先週号で報じたように、13年前にさかのぼって、汚染米の販売状況を明らかにさせました。そして、いくつかの要求が実現しようとしています。

　不正流出防止のため
　　輸入米購入企業名の公表

　ところが農水省は、「汚染輸入米」事件を受けて、このほど「横流れ防止のための検査マニュアル」を作成。そのなかで「販売先の情報公開については、販売の都度、販売先の会社名・販売数量をホームページ上で公表する」ことを決めました。その理由は「（汚染米を食用に）転売する目的で購入する行為を根本から断ち切り、企業名の公表で不正流通防止のけん制になる」から。

　これはまさに、農民連が5年前に情報公開を求めた理由そのものです。もし、農民連の要求を農水省が受け入れていれば、今回のような事件が起きなかったことは明らか。汚染米の不正流通という大事件と巨大な代償を払い、農水省もようやく自らの政策の「過ち」を認めたかっこうになりました。

「徹底究明と再発防止を求める緊急中央行動」（9月19日、農水省前）

　国内流通させないため
　　商社責任で積み戻し、廃棄処分

　具体的には、輸入時または輸入後に食品衛生法上問題があると判明した場合、輸入した商社の責任で積み戻しによる輸出国への返送または廃棄処分することを決めました。かかる経費も商社負担とさせました。

　これも農民連が強く要求してきたことです。

　原料米原産地の表示義務
　　農水省が検討課題に

　具体的な検討課題として、米関連商品の範囲をどうすべきか、原料米原産地が特定できない場合の表示はどうすべきか、表示の仕方はどうすべきかなどをあげています。検討会では11月までに新たな制度の骨格をまとめる予定です。

　これらの対策が実現すれば、消費者には選択の機会が保証され、輸入米の流通は大幅にせばめられます。さらに運動を広げ、輸入米をやめさせるなど、総選挙で決着をつけましょう。