「農民」記事データベース20081027-850-15

地産地消で自給率向上を

生産者と消費者の連携こそ

関連/汚染米など農と食に強い関心
  /今年も百里稲刈り交流会  
  /食はいのち        


埼玉県消費者大会に1千人
汚染米・食料危機など討議

画像 10月7日、さいたま市で第44回埼玉 県消費者大会が開かれ、「平和で公正な社会を実現し明るい未来をつくりましょう」のテーマで、記念講演と分科会が行われ、1000人を超える人たちが参加しました。同実行委員会(県生協連、地域婦人会、JA女性部協議会、くらしの会、埼玉 農民連など24団体で構成)が主催したものです。

 はじめに上田清司県知事が「汚染米問題にみられるように、農業・食糧は国民的課題だ。自給率を上げるための対策に尽力したい」とあいさつ。続いて実行委員会の伊藤恭一事務局長が「原油や穀物などの価格高騰によって、世界で経済危機、食糧危機が広がっている。安全な食糧を確保するため食糧主権の確立が必要だ」と報告しました。

 記念講演は、東京農業大学の小泉武夫教授が「ハツラツ元気を作る食の知恵、地産地消で食料自給率の向上を」と題して行いました。その中で、「今や食糧をお金で買ってくる時代ではない。地産地消を中心に、国内自給率を高めるべきだが、この点で国の政策はまったく機能していない」と、これまでの農村・農業政策を厳しく批判。全国各地で自主的に取り組まれている実践例を紹介し、参加者を励ましました。

 午後は、「食」「福祉」「環境」など5分野で分科会が行われました。「食」の分科会には130人が集まり、「世界の食糧事情は今―これでいいのか食料自給率」というテーマで報告と討論が行われ、生産者と消費者が連携して日本の農業と食料を守る運動をする必要があることを確認しました。

(埼玉農民連 松本慎一)


汚染米など農と食に強い関心

福岡県母親大会

 第50回福岡県母親大会が9月21日、春日市で開催されました。14の分科会のうち、「安全・安心なものを食べたい、守ろう食と農」では、汚染米の問題などで関心が高く、ほかの分科会より広い会場でしたが、いすに座れない人がでるほど。また急きょ、地元のケーブルテレビから「撮影したい、参加者にインタビューしたい」との申し出もありました。

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テレビの取材を受ける参加者と、報告する藤嶋さん(左下)

 助言者の藤嶋嘉子さん(若宮農民組合書記長)は、いま問題になっている汚染米の流通 のしくみや減反政策などを切り口に、生産者の顔の見える産直の大切さ、食糧主権の確立を訴えました。参加者は、熱心に聞き入り、会場から遺伝子組み換えの問題や「『口に入れるもので安全でないものは輸入しない』という政府の態度が大事」「農家がやっていけるような、後継ぎができるような、農業政策をやってほしい」などの意見が出ていました。

(福岡・みのう農民組合 金子徳子)


今年も百里稲刈り交流会

茨城・小美玉市の平和公園
演奏・クイズ・料理に楽しく

 9月15日、茨城県小美玉市にある百里平和農園で「第15回百里稲刈り交流会」が開催されました。ついこのあいだ田植え交流会をやったと思ったら、もう稲刈り交流会…。時のたつのは早いものです。

画像 今回は残念ながら例年になく参加者が少なかったのですが、初参加の若者も交えた交流会では、毎年昼食作りをしてくださる中山さん夫妻の地場産の食材を使った料理に舌鼓を打ちながら、梨の皮むき競争(むいた皮の長さを競う)やヒューマン・ファーマーズの演奏、豪華賞品付きのクイズで、あっという間の秋の一日でした。

 百里基地では現在、軍民共用の「茨城空港」の建設が行われており、その建設費用はアクセス道路の整備などを含めると、なんと750億円。テレビでも「無駄だらけの茨城空港」と報道されています。採算が取れる利用者数を見込めない中で、航空会社の参入は今のところ見込めないそうで、どうやら一番喜ぶのは自衛隊とアメリカ軍ではないかという話でした。

(茨城農民連 渡辺三智夫)


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茨城・小美玉市 久保田 紀子

(新聞「農民」2008.10.27付)
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2008年10月

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