「農民」記事データベース20081020-849-09

当たり前に食べている食材の
“裏側”に農家の方の苦労が…

慶応大学生が茨城で“農業体験”


 農民連本部の紹介で、慶応義塾大学に学ぶ学生たちが、9月23、24の両日、茨城県南農民組合・阿見産直センターの飯野良治さん、靖子さんのもとで、農業体験しました。その「体験リポート」を紹介します。

 「現状に満足せず、変化を求めてみずから自然の中に身をおき、ひたすら感性を磨くこと」と学生たちに話したという良治さんは「なかなかやるものだ。みんな、目が生き生きしていたよ」。また靖子さんも「みんなよくがんばった。食の大切さを実感し、食料自給率を上げることがどんなに大変か、わかったのでは」と話しています。

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学生たちが間引きした大根は、すくすく育ち、とても元気です


体験リポート

Aさん 1年(女性)

 ふだん当たり前に食材が手に入り、何も考えずに食べる、そのことがどんなに当たり前でないことかを思い知らされました。

 広いとはいえないネギ畑の草取りに1日以上かかり、その疲労は私の想像以上。最も不可欠な農業という職業を、私は今まで知っている「つもり」だったのです。毎日の食卓の裏側には大変な努力が隠されていること、また仮に農業が衰退してしまえば、その「当たり前」が簡単に壊されてしまうことを、身をもって感じた2日間でした。

Bさん 2年(男性)

 日ごろ何気なく食べているネギやニンジンの裏側には、農家の方々が腰をかがめて行っている草取りという重労働が隠れていたことを実感できたり、減反による耕作放棄地の悲惨な状態を、この目で見ることができたり。

 さらに、農家の方々から、食育のことや地産地消、有機栽培、さらには農業の後継者問題について、直接お話を伺うことができたことも私にとって、たいへん興味深いことでした。

元気をもらいました

Cさん 4年(女性)

 確かに農作業は大変でした。しかし、農業にはエネルギーがあり、私たちに元気を与えてくれるものだということがわかりました。

 青空の下で暑いなか作業しているうちに、無心になり、都会よりも時間がゆっくりと流れ、土の温かさや風の音、草木のにおいを感じることができました。また、農家の方々は若々しく、生き生きとしていました。そして「生命」を育てるという仕事にとても誇りをもっていました。

 肉体的には苦しい思いをしましたが、心がとても豊かになった気がします。農業を盛り上げるつもりで行ったのに、逆に自分が元気をもらい、とても貴重な体験でした。

(新聞「農民」2008.10.20付)
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2008年10月

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