「農民」記事データベース20081013-848-08

福祉施設に広がる産直

頼りにしています

今春スタートの「府中共同作業所」(東京)

関連/コイの恩返し?


“届くのが楽しみ”と家族・職員・支援者

 農民連ふるさとネットワークは、産直の新しいパートナーをつくるために積極的に活動しています。9月24日、今春から取引の始まった福祉施設「府中共同作業所」(東京都府中市)を訪ねました。

 おいしく安心な旬の農産物

 府中共同作業所は、1979年に設立された心身障害者の働く施設です。現在、34人の障害者が通所し、20人の職員に支えられながら、木工品やふきん、きんちゃく袋、ミニ枕などの製作に励んでいます。

 この作業所で、利用者の家族や職員、地域の支援者のみなさんに、農民連の米や野菜が届けられ、「鮮度のよい、おいしくて安心な農産物」として好評です。

 当日は、各地の産直センターから米(山形)、サツマイモなどの野菜(茨城)、梨、しょうゆ、なたね油(福島)、のり(兵庫)などが届けられました。職員の須貝理さんと森知世子さんが、注文票を見ながら手際よく仕分けしていきます。「旬のものが届くので、今度はどんなものが届くのかと楽しみです」と森さんは言います。

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注文表を確かめながら野菜を仕分けする森さん

 資金づくりにも役立つ取り組み

 府中共同作業所が産直に取り組んだきっかけは、同作業所も加盟する全国組織「きょうされん」の事務所を農民連ふるさとネットワークの渡辺満広さんが訪ねたこと。置いてきたチラシに関心をもった同作業所の安川雄二さん(きょうされん常任理事)が職場に持ち帰りました。作業所などの福祉施設は、国や自治体からの補助金だけでは運営に余裕がなく、自己資金をつくる活動も必要です。職員や支援者のみなさんは、「こういう活動なら楽しく安心して取り組める」と受け止め、さっそく取り組むことにしました。

 安心な食べもの届けてほしい

 鮮度を保つために、無理をせず、施設の送迎車などですぐに届けられる範囲の人たちに限定してスタート。現在は35人ほどが利用しています。

 脳性マヒで長年作業所に通っている梶原高太郎さんのお母さん、典子さんは、今回は野菜とのり、しょうゆを購入。のりは高太郎さんの好物だそうです。

 「前回はお米もいただいておいしかったです。野菜も鮮度がいいし、珍しいものが届くこともあって楽しいです」

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届いた野菜を手にする梶原典子さん(左から2人目)と職員のみなさん

 おいしいものを食べて、作業所の運営の支えにもなるのなら、なにより。いずれはもう少し回数が増えればいいと期待しています。出荷する農家には、「頼りにしていますので、いつでも安心して食べられるものを届けてほしい」と願っています。


コイの恩返し?

マクワウリ収量 今年は良好愛媛

画像 今年、畑に植えた3本のマクワウリの収量 は、すこぶる良いようです。これまでに、例年の倍近く収穫できましたが、まだまだ元気にツルを伸ばし、次々に花を咲かせ、実をつけています。

 春先に2匹のコイが死んだので、水槽の横の畑に埋めました。そして、その畑にマクワウリやスイカ、ピーマンなどを植えましたが、コイを埋めた場所に近かったマクワウリだけがその恩恵を受けたようです。コイを埋めたところまで根を伸ばし、養分を吸収したからではないでしょうか。

 コイは、亡き父の趣味だったこともあり、8年前に弟が10匹持ってきて、水槽に入れました。でも残念ながら7匹が次々に死んでいって、3匹になってしまいました。それでも、毎年のように子どもを産み、今では100匹以上に増えました。コイの寿命は30〜40年と言われ、100年以上生きながらえるコイもいるそうです。

 コイさん、おいしいマクワウリをありがとう。

(愛媛・今治市菊間農民組合 大道法幸)

(新聞「農民」2008.10.13付)
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2008年10月

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