広がる汚染輸入米に怒り次々
食健連全国代表者・活動者会議
食の安全守る活動交流
関連/汚染米輸入認めた責任重大
グリーンウエーブの諸行動を確認
国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会(全国食健連)は9月27、28の両日、東京都内で全国代表者・活動者会議を開き、19都府県と15の中央団体から68人が参加して、秋からの共同行動=グリーンウエーブの計画などについて討議しました。汚染輸入米問題が深刻な広がりを見せる中、各地から怒りの声とともに、食の安全を守る多彩
な活動の経験が集められました。
会議の冒頭、報告を行った坂口正明事務局長は、汚染輸入米問題で自民・公明農政の行き詰まりがいよいよ明らかになっているのに対して、G8洞爺湖サミット対抗行動の成功など、食糧主権の旗を掲げた食健連の多様な運動が国民の世論を高めるうえで大きな力を発揮してきたことを強調。「この成果に確信を持って、MA米中止を求める緊急署名などに意気高く取り組もう」と、グリーンウエーブの諸行動の方針を提起しました。
討論でも、汚染米問題について各地域・団体から発言が相次ぎました。
新日本婦人の会は、「子どもの健やかな成長を願って学校給食確立の運動をしてきたが、汚染米問題ではその努力が裏切られた」と述べ、「汚染米問題を総選挙の争点に押し上げ、MA米を必ずストップさせよう」と訴えました。
農水省に働く労働者は、職場の実態をリアルに報告し、「米行政に携わってきた者として国民に申し訳ない。しかし、小泉『構造改革』の人減らしで農政の現場は責任を果たせなくなっている。職員は過酷な労働を強いられているが、国民の安全のために全力をつくす」と決意を述べました。
食健連のネットワークを生かした運動については、教職員組合の代表が「学校給食法の改正は、食育に取り組む条件を広げた。農民連と連携して地元の農産物を大いに取り入れたい」などと発言。和歌山からは、「6月に久しぶりの総会を開いて活動を再開し、札幌のサミット対抗行動にも10人を派遣した」と報告。「学校給食を中心に地産地消の運動に積極的に取り組んでいる」と述べて参加者を励ましました。
また岩手県では、病院給食への汚染米混入をきっかけに保険医協会も請願署名に取り組みはじめたことなどが紹介されました。
2日間で29人が発言。坂口事務局長は討論のまとめで、「各地で新しいつながりが生まれている。垣根を作らず幅広く運動を広げよう」と呼びかけました。
食健連、農民連厚労省に要請
農水省、商社との連携明るみに
食健連と農民連は9月26日、輸入米の安全検疫について港の水際で責任を負っている厚生労働省を訪れ、汚染米の食用転用事件の全容解明と再発防止を求めて要請行動を行いました。
参加者は(1)事件の徹底解明、食品衛生法に違反する「非食用汚染米」とそれを原料とする食品は政府の責任で回収すること(2)食品の輸入手続きで汚染が基準値を超えた場合に、本来は積み戻しまたは滅却とすべきなのに、ミニマムアクセス(MA)米の場合「非食用」に切り替わって輸入されたのはなぜか―について問いただしました。
汚染米の回収について厚労省は「回収命令は都道府県の権限で、国は要請しかできない」と責任逃れの答弁。さらにMAによる輸入米が食品衛生法違反になった場合でも、農水省、商社と連携して「食用外への転用のため食品衛生法の適用外」という第3の方法で輸入を認めていたと説明しました。水際で違反を防ぐべきはずの厚労省が輸入に道を開き、農水省、商社と連携していた構図が明るみに出ました。
参加者は「違反米の輸入を認めた厚労省の責任は重大だ。絶対に違反米の輸入を認めるな。積み戻しか滅却にせよ」と迫るとともに、違反がどのくらい広がっているのか全容を公表するよう要求しました。
さらに「汚染が学校給食にも広がっている。政府の責任で回収せよ」「いったん国内に流通したら今の体制ではチェックは難しい。水際で防ぐべきだ」などと強く求めました。
(新聞「農民」2008.10.13付)
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