「農民」記事データベース20081006-847-07

今年も稲刈り直前にチラシ2万4千枚配布

準産直米で仲間を増やそう

茨城県南農民組合


さっそく問い合わせが…
自・公農政に不満・怒りも

画像 取手市やつくば市など7市3町1村にまたがる茨城県南農民組合のエリアには、米づくりに最適な田んぼが広がります。とくに、利根川と霞ヶ浦の間を流れる小貝川の豊かな水が、肥よくな土壌をつくりあげました。

 大いに米づくり販路を広げよう

 県南農民組合の米部会(県南筑波農産センター)では、今年も稲刈りのはじまる9月上旬、「準産直米で仲間を広げよう」と、2万4千枚のチラシを新聞折り込みなどで配布しました。稲刈り真っただ中のいま、「小さい農家も大きな農家も、お米は県南筑波農産センターへ」「農民連に入って、おおいに作り販路を広げよう」との呼びかけに、さっそく問い合わせが事務所にきます。

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米部会の市川忠夫会長(前列右)と農民組合の小林さん(後列右)、山口さん(左端)

 開口一番、「いくらで買ってくれるのか」―そして自民・公明政権の農政に対する愚痴(ぐち)や農協への批判と続き、誰もがこの低米価に不満を抱き、怒っています。農民組合事務局の小林恭子さんが「だからこそ、みんなで力をあわせて変えていきましょう」と話すと、「近々、事務所に寄らせてもらうよ」「お世話になるかどうか、考えてみるよ」という反応も。

農民連なら安心して出荷できる

 苦労わかる人に買ってもらえる

 こうしたチラシや組合員の紹介がきっかけで「21世紀米つくり会」の関口文夫さん(57)と助川潔さん(58)は、3年前に農民連に入りました。同級の2人は、100%有機の米づくりにこだわっています。米ぬかや岩塩、海藻、にがりなど有機肥料のこだわりは半端ではありません。だからこそ「米作りの苦労をわかってもらえる人に買ってもらうのが一番。心が通ってますから」と関口さんが言えば、助川さんは「農民連は安心して出せる」。

 もうすぐ稲刈りに入る田んぼを前に「今年はカメムシも出ずよくできあがった。あとは価格だけ」と、収穫の喜びに日に焼けた顔がほころびました。

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助川さん(左端)の田んぼをみる米卸のみなさん

 消費者・米屋さんに信頼される米を

 また、数年前に税金対策で農民連に入ったNさんは、今年はじめて米を出荷しました。そして9月11日に米の検査を行いましたが、結果 は2等。ところが「どうしてうちの米が2等なんだ」と怒り心頭。「全部持ち帰るから、すぐ倉庫から出してくれ」…。

 米検査員の山口徹さんは、すぐに本人の自宅まで検査した米を持っていき、本人の目の前で分析して2等になった理由を説明しました。さらに消費者やお米屋さんに“農民連会員のお米なら大丈夫”と言ってもらえるために、適正に検査していることをじっくり話すと納得してくれました。さらに、茨城ふるさとネットで作成した生産者用の検査についての説明書きを渡すと、しっかりやっていることに感心してくれ、最後には、残りのお米も出してもらえることになりました。

 山口さんは「会員を信頼して説明すれば、必ず理解してくれると確信しています。これからも準産直米に出してくれる農家を増やしていきたい」と話しています。

(新聞「農民」2008.10.6付)
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2008年10月

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