「農民」記事データベース20080929-846-17

旬の味


 食の安全をおびやかす事件が、またもや発生した。「汚染米」は私たちの身近なところで流通していた▼ある飲食店が「もっと安い米があるから値を下げろ」と言ってきたので契約を切ったことがある、と教えてくれた米卸の話を思い出した。“もしかして”と疑う余地はある。それにしても「汚染米」の流通は複雑多岐にわたり、酒造や菓子、給食、外食と出回り、大半が消費されていたと言うから驚きだ。この不正を見抜けなかった農水省の責任は重大だし、「汚染米」が米価下落の要因のひとつと思うのは当然だ▼優良農地をつぶそうと、区画整理組合の組合長が「来年から米をつくるな」と通達に来た。区画整理事業で住民が取り消しを求めることができるかどうかが争われていた訴訟で、最高裁は画期的な判決を下した。この判決が焦りとなったのか。言うことを聞かせるために、区画整理組合の理事が「市の区画整理はひきょうなんだぞ!」と、声を荒らげて言い放った。静かな里の秋は、しばらく来そうもない。

(る)

(新聞「農民」2008.9.29付)
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2008年9月

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