輸入飼料高騰 酪農家ピンチ東京農民連 予算で対都交渉飼料作物栽培で助成回答
東京農民連は9月8日、東京都の来年度予算について、都と要求交渉を行いました。 東京農民連からは、田中山五郎会長ほか4人が参加し、都側からは、武田直克農業振興課長などが対応しました。日本共産党の清水ひで子都議が同席しました。 全部で13項目の要求を提出しましたが、特に輸入飼料の高騰により大きな打撃を受けている酪農家の救済策を最初に取り上げました。都内の酪農家70軒のうち1割にあたる7軒が廃業に追い込まれています。その実態を具体的に説明したうえで、国の緊急対策とあわせて、都独自の支援策を求めました。このうち、休耕農地を生かした飼料作物栽培への支援については、「すでに青梅市で実施しており、今後も機械の購入費の助成を行う」との回答がありました。 さらに、固定資産税や相続税の負担で農家が農地を手放さざるをえない実情に対策を講じるよう求めたところ、都は、「国に対して生産緑地指定の基準面積の引き下げや、農業用施設用地や屋敷林も農地課税にさせることなどを要求しているが、それに対する回答がまだない」との答弁でした。 「東京農業振興条例」制定の要求に対しては、昨年度と同じく、「『東京農業振興プラン』を実施しているので、条例をつくる予定はない」との回答でした。 (東京農民連 斉藤勇)
清流壊しアユ生存を危機に霞ヶ浦導水事業で学術シンポ那珂川アユ訴訟の原告である那珂川関係漁協協議会と霞ヶ浦導水事業による魚類・生態系影響評価委員会は9月6日、茨城県城里町で学術シンポジウム「霞ヶ浦導水事業は那珂川のアユと自然環境にどのような影響をおよぼすか」を開き、約250人が参加しました。東北大学名誉教授の川崎健さんは、霞ヶ浦と那珂川を巨大なトンネルでつなぐ霞ヶ浦導水事業について、「水質浄化や用水補給などの目的をいずれも否定されているのに、日本一のアユ漁獲量を誇る清流を国が破壊しようとしている。怒りを覚える。漁協などの合意を得ぬままの工事強行は、民主主義の破壊だ」と訴えました。また元茨城県水産試験場長の浜田篤信さんは「河川流量の変動が激しかった年から3年たって漁獲量が減っている。産卵や稚魚の生存率に影響している。アユ日本一を誇る那珂川の流量は不安定ギリギリのところだ。取水する余裕はない」と報告しました。 日本魚類学会部会長(東京海洋大学)の丸山隆さんは、「導水事業による取水で那珂川の流量が減ると、生物量の減少で栄養物質分解機能が低下し、富栄養化・貧酸素化が促進される恐れがある」と警告。さらに、たかはし河川生物調査事務所の高橋勇夫さん(通称「アユ博士」)は、「取水による流速低下などで稚魚が減り、悪条件が重なると被害はかなり大きくなることも予想される」と述べました。 (茨城農民連 村田深)
(新聞「農民」2008.9.29付)
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[2008年9月]
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