07年度の米価また下がる(農水省調査)まさに 最低 時給179円に怒る農家「生産費償う価格保障を」
農水省は9月9日、「2007年産の米生産費」調査結果 を発表しました。それによると、1日8時間あたりの家族労働報酬は全国平均で1430円で、時給にするとわずか179円。前年の256円をさらに77円も下回りました。 水田の規模別にみると、もっとも農家数が多い1ヘクタール未満の農家の時給はゼロで労賃が出ません。1〜2ヘクタールで80円。2〜3ヘクタールで411円、3〜5ヘクタールでようやく1000円を越える状況です。図のように、稲作農家の所得は最低賃金(687円)の4分の1。WTO協定の受け入れでミニマム・アクセス米の輸入を始めた1995年時の17%という事態に、「これでは米づくりは続けられないし、後継者も生まれない。生産費を償う価格保障が必要だ」との声が上がっています。 また、07年産の全算入生産費(資本利子や地代を含むすべての経費を算入)は60キロあたり1万6412円で、前年に比べ2・4%減少しました。そのうち、燃料代を含む農機具費や肥料費などの物財費だけで、60キロあたり平均8815円かかっていますが、これは農業資材が高騰する以前の数値。生産者米価が低迷する中、燃料費や資材の相次ぐ値上がりで、稲作農家への打撃はいっそう深刻になっています。
“奈良の農業にふれよう”大阪の消費者らが一日体験奈良県農民連と大阪府農民連は9月14日、共催で、「奈良県の農業にふれよう」をテーマに交流会を開き、大阪からビルの屋上で家庭菜園をしている「空畑クラブ」の消費者など21人が奈良を訪れました。最初に無農薬・無肥料でお茶を作っている羽間一登さんの農園で、お茶つみから乾燥までの工程を体験実習した後、築300年の古民家を改築したギャラリー「夢雲」へ。湧き水で作った有機の穀物コーヒーを飲みながら、陶器や工芸品を鑑賞しました。
次に、有機農法で軟弱野菜を作っている平畠潔さんのハウスを見学し、農業の大変さや魅力を聞きました。
交流会の最後は、平畠さんの農産物で野菜バーベキュー。参加者は「苦手な野菜があったけど、スーパーとは違い、甘くておいしい」と大満足。「農業の魅力も再認識したが、農家の人びとの温かさに感動した。ぜひまた参加したい」とリクエストが出るなど、大いに盛り上がりました。 平畠さんは、「若い人がこんなに農業に関心を持ってくれることがうれしい」と話していました。 (奈良県農民連 S)
(新聞「農民」2008.9.29付)
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[2008年9月]
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