本の紹介
日本婦人団体連合会編「女性白書2008」
国際的な到達点から
日本の人権状況探る
「世界人権宣言」が採択されて、今年で60年。日本婦人団体連合会編集の『女性白書2008』のテーマは、「女性と人権」です。
世界人権宣言は、人類社会すべての構成員の尊厳と、平等で譲ることのできない権利を認めることが、世界の自由と平和の基礎にあると述べています。今年の「女性白書」は、この原点に立って、国際的な到達点から日本の人権状況を見直し、人として生きる権利を阻んでいる諸問題や、人が人として尊重されている社会をどう作っていくのかを探っています。
「働く女性の人権」の章では、農民連女性部長の久保田みき子さんが、「労働者として働きながらの農業」をテーマに執筆しています。久保田さんは、自ら深夜2時から昼1時まで契約社員として食堂で働きながら、さらにハウスでの花栽培など農作業にも追われる生活を率直に書いています。そして農産物価格が下落し、女性も兼業しなければならない農家経営の厳しい実態を痛切に告発しています。
また「くらし・社会保障」の章では、農民連副会長の真嶋良孝さんが、「食糧・環境」をテーマに執筆。バイオ燃料や投機マネーの暗躍によって深刻さをます世界的な食糧危機などを解説しつつ、食糧主権の確立こそが、食糧危機を打開し、地球温暖化を防ぐ道だと呼びかけています。
巻末には、女性参画やワーク・ライフ・バランス(仕事と家庭の調和)など女性の人権状況のわかる資料も豊富です。
▼定価 3200円
▼注文は、日本婦人団体連合会 TEL03(3401)6147まで。
(新聞「農民」2008.9.22付)
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