「農民」記事データベース20080915-844-09

旬の味


 福田康夫氏が突然、首相の座を投げ出した。08年産米の超安値と減反押し付けの強化、そして世界的な食糧・原油の高騰。国内の肥料や生産資材の大幅値上げを置き土産にしてだ。たった11カ月と5日。悪がきが手いっぱい悪戯をして逃げていったようなものだ▼8月15日現在の作況指数が発表され、岩手では平年作というのだが、低米価と減反の強化をひきずっている農家の暮らしは、どうなるのか懸念される。みちのくの農民は、なんといっても米が主力。その収穫には1年の歳月がかかる。工業製品のようにはいかないし、福田氏のように苦しいからといって「や〜めた」と投げ出すことなどできない。われわれの肩には、国民の胃袋がかかっているからだ▼集中豪雨などの天候不順の中で、稲の実りはこれからが正念場。国会の解散・総選挙は年内にも行われるだろう。豊かな収穫を願うとともに、食料自給率の向上、生活のできる農業経営、何よりも国の根幹となる農政の確立を叫んでいこうではないか。

(実)

(新聞「農民」2008.9.15付)
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2008年9月

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