「農民」記事データベース20080915-844-03

堆肥で地球温暖化防止を

第16回生ごみリサイクル交流会


各地から取り組み報告

画像 今年で16回目を迎える「生ごみリサイクル交流会 生ごみは宝だ!」が、8月26日、東京・早稲田大学で開催され、全国から参加した460人余が、活発な討論を交わしました。主催は同交流会実行委員会と、特定非営利活動法人有機農産物普及・堆(たい)肥化推進協会。

 理事長で元東京農工大学教授の瀬戸昌之さんが「最大の環境問題“地球温暖化”――循環型社会の構築と生ごみのたい肥化」と題して事例報告し、「再生可能エネルギーの買い取り制度や山林保全への援助など、CO2削減の経済的インセンティブ(動機付け)の導入が必要。また生物資源である生ごみの活用は、地球温暖化の防止に大きく寄与できる」と呼びかけました。

 このほか、東京・町田市長の石阪丈一さんが、「ごみゼロ市民会議」を中心に、自治体と市民が一体となった家庭生ごみを全量資源化する取り組みを事例報告しました。

 午後は、「市民と行政の協働で地域循環」など4分科会にわかれて、交流。

 「身近な有機物活用で良質たい肥」の分科会では、三重県多気(たき)町のトマト農家、北川清生さんが、共同たい肥作りを報告しました。北川さんは、地域の農家30人で「多気有機農業研究会」を結成し、生ごみだけでなくモミ殻や米ぬか、落ち葉などと、地元の竹やぶから採取した土着菌を発酵菌に活用して、たい肥にしています。「お金をかけずに、自然の有機物を使った健康な土作りを夢中になってやってきて、お客さんから“おいしい”と言われるのが本当にうれしい」と、日焼けした笑顔で語りました。

 さっそく会場から、「生ごみの出所は?」との質問が出されました。北川さんは「会員農家自身の生ごみと、野菜を納めた地産地消のレストランや総菜屋さん、地元の鮎の加工業者など、信頼できる生ごみだけ」とのこと。

 このほか、茨城県の鯉渕学園農業栄養専門学校の涌井義郎さんが、学園内で取り組まれている循環型・環境保全型農業の実践・教育を報告。たい肥の機能や、生ごみたい肥の課題なども分かりやすく解説し、「化成肥料の原料となるリン鉱石などが世界的に枯渇しかかっている。日本は豊かな有機物資源を活用した農業をめざそう」と呼びかけました。

(新聞「農民」2008.9.15付)
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2008年9月

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