“あ然”とさせた福田首相辞任
自公政治の行き詰まり
総選挙で国民に信を問え
福田首相が就任から1年も持たずに突然の辞任表明―日本中を“あ然”とさせた9月1日夜の記者会見でした。自民・公明両党の政権の首相としては、昨年9月の安倍前首相に続いて2代続けて政権投げ出しとなりました。内政・外交とも“進退きわまれり”というわけです。
記者会見では、最後に「お世話になった」と記者席に頭を下げましたが、政権を投げ出したことに対する国民への「おわび」の言葉は、とうとう聞かれませんでした。
この1年間を振り返ってみても、米価の暴落と減反強化、中国製のギョーザによる中毒事件、約束違反が相次ぐアメリカ産牛肉の輸入。そして食糧や原油、肥料、飼料などが国際的に高騰し、国内でも食料品が相次いで値上げされました。農家の暮らしもいっそう苦しくなる中で開かれたG8洞爺湖サミットでは議長を務めましたが、福田首相はなんら有効な施策を打ち出すこともなく、国内でも農家切り捨ての「構造改革」を推し進めてきました。
いま自民党は、次期総裁の選出を進めています。9月下旬にも開かれる予定の臨時国会では新しい首相が誕生しますが、まずは何をめざすのか、国政の基本をしっかり議論して争点をハッキリさせたうえで、国会の解散・総選挙で国民に信を問うべきです。
しかし、福田辞任が「自公政治の行き詰まりが行き着くところまできた」ことを示しているだけに、この自公政治にメスを入れない限り、だれがやってもこの行き詰まりを打ち破ることはできません。国民の審判で政治の中身そのものを変えることが、いよいよ避けられない重要な課題となっています。
(新聞「農民」2008.9.15付)
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