「農民」記事データベース20080825-841-08

こんな時だからこそ

生産者と米屋さんが力を合わせて

米屋さんと生産者をつなぐ交流会(大阪)


ネットワークの米はすばらしい
米屋は量販店に負けない

 農民連ふるさとネットワークは八月三日、大阪市都島区の私学教育文化会館で、今年で六回目となる「米屋さんと生産者をつなぐ交流会」を開催。猛暑の中、米屋さんと生産者、卸業者など百三十人余が参加し、熱心に交流しました。とくに初めて参加した米屋さんは、十五人にのぼりました。

 大米商理事長が激励あいさつ

 農民連ふるさとネットワークの堂前貢代表が主催者あいさつ。「米の消費が伸びているのに、国はいまでも減反を強制し、減反に協力しない農家の米は加工用として三千円で買い上げるなどと言っている。いまこそ、減反ではなく大増産を」と訴え、「生産者と米屋さん、卸さんが力をあわせて、今日の交流会をいまの農政を変えさせる機会にしたい」と呼びかけました。

 大阪府米穀小売商業組合(大米商)の道満正義理事長が「私はお店でお母さんたちに、ごはん中心の日本型食生活に変えてほしい、と話しています。農民連さんのネットワークには、すばらしい米があります。量販店やスーパーには負けません。ぜひ、生産者の声を私たち米屋に寄せてください。それを消費者に伝えることが米屋としての使命です」 と、 力強いエール。また、全農林大阪府協議会(農水省で働く職員の労働組合)の湯川喜郎委員長もあいさつしました。

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大米商の道満理事長

 稲の生育、米生産の実状報告

 各産地からは「今年は天候が順調で、平年並みの収穫が期待できます」など、稲の生育状況が報告されました。東北・北海道産直ネットの鈴木弥弘さんは、生産者の“適正価格”について数字もあげ「いまの米価から生産費を差し引けば、一ヘクタールの所得はわずか三十万円。三ヘクタールの農家でも百万円にもならない。ぎりぎりのところでがんばっているのが現実だ。再生産が可能な米価でなければ、後継者も育たない。今の農政をみなさんといっしょに転換させ、生産コストをカバーする価格保障制度を実現したい」と訴えました。

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田んぼからぬいてきた稲を手に作柄を説明する関東ネットの小倉毅さん

“ぎりぎりでがんばっている”
再生産可能な米価こそ

 新たなルートを求めて話し合い

 知り合いの米屋さんから案内をもらって初参加の花谷米穀店(大阪市)は「説明を聞いて、準産直米のことがよくわかりました。農民連の“こだわり米”を、ぜひ検討したい」と話していました。

 一方、奈良産直センターの小西徹男さんは「大阪の米屋さんから“奈良にはいいヒノヒカリがある。サンプルを送ってほしい”と声をかけられました。県外は初めてなので、とてもうれしい」、また福島県産直農協の佐々木健洋さんは「米屋さんの期待をビンビン感じました。仲間を増やしておおいに米を届けたい」と、生産者の意気込みを語りました。

 青森県産直ネットの一戸健策さんが「激しい雹(ひょう)害で傷ついたリンゴを“ほほえみリンゴ”として販売の協力を」と訴えました。交流のあと一戸さんは「米屋さんからさっそく協力の申し出がありました。たいへんありがたい。これも米屋さんと生産者との信頼の絆(きずな)があってこそです」と話していました。

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“どんな米をつくっているの?”―熱心な交流が続きました

(新聞「農民」2008.8.25付)
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2008年8月

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