旬の味
G8サミット対抗行動では、高尾の天狗も睨(にら)みをきかしたが、G8首脳は環境と農業の深刻な事態を放置して、WTO交渉推進を打ち出した。しかし、WTO交渉は決裂し“長期凍結”となった。天狗も見ていたのだろう▼天狗は高尾の自然を残そうと、トンネル建設に反対し裁判をすすめている。高尾は首都東京にあって、樹木や植物相がまれに見るほど豊富で、野鳥をはじめ野生動物、昆虫など貴重な生き物が集っているところだ▼少年時代、植物や昆虫の採集、野鳥観察に自分の庭のようにしばしば出かけた。冬にはキジョラン(常緑で多年草のつる草)にぶらさがる水色の宝石、アサキマダラ蝶の蛹(さなぎ)を、春にはクロウメモドキにスジボソヤマキチョウの卵を、そしてハナイカダを採取して自然を学んだ▼東京のオアシス・高尾山の胴腹に穴を貫通させて沢を枯らし、動植物を追い払う。温暖化を放置し、人の住めない地球にするに等しい行為そのものであり、断じてやめさせなければならない。 (昌)
(新聞「農民」2008.8.11付)
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[2008年8月]
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