農民連ふるさとネットワーク第5回総会開く
大増産と食料主権確立で
自給率の向上を
運動でも事業でも組織面でも
前進めざし活発な討論
「大増産と食糧主権の確立で、自給率向上を」―農民連ふるさとネットワークは7月29、30の両日、東京・台東区民会館で第5回総会を開き、加盟する55の組織をはじめ、35の道府県から113人が参加しました。
大見本市成功で知名度あがって
総会では、理事会提案の〇七年度事業及び決算報告、〇八年度事業計画と予算案を森谷精事務局長が報告。新米の稲穂が飾られた演壇から二十三人が発言し、それぞれ全会一致で採択されました。また新任三人を含む十八人の理事と三人の監事を選出しました。
開会あいさつで堂前貢代表は「大見本市の成功などを通じて知名度はあがっているが、国民の要求からみればまだこたえられる組織にはなっていない。運動でも事業でも、組織面でもさらに前進しよう」と活発な討論を呼びかけました。
総会中にWTO決裂の報
真嶋良孝副会長がWTO、G8サミットについて特別報告。会議中にWTO交渉の決裂が伝えられると、参加者は大歓迎、食糧主権確立に向けて決意を固めあいました。
新婦人との合同チラシで運動前進
新婦人との産直では、千葉・房総食料センターの椎名二郎さんが「おおきなうねりを作ろう」と新婦人東京といっしょに取り組んだ“産直フェスタ”を報告。また千葉・多古町旬の味産直センターの小林由紀夫さんは、新婦人神奈川から「食と地球を守る産直」との提起を受けてはじめた産地訪問などの取り組みを紹介。それぞれ産直ボックスを大きく広げることができたのは、新婦人の支部や小組と新聞「農民」の記事などを使って「学習を力にしたこと」と発言。森谷事務局長は「はじめて新婦人との合同チラシを作った。いま新婦人産直は、ひとかわむけた新たな運動に発展している」と述べました。
増産やものづくりでは、埼玉産直センターの山口一郎さんが「空きハウスなどを活用したブロッコリーの栽培など、一年で三%の作付け面積の拡大を目標に取り組んでいる」と発言。また和歌山・紀ノ川農協の宇田篤弘さんは、地域農業を元気にしようと取り組んでいる有機農業のモデルタウン事業を紹介しました。
全農・大手の対抗軸に
準産直米では、農民連にいがた産直センターの鈴木亮さんが、農家に集まってもらい”、もう一つの流れ”の意義を何度も話し合い、「一パレットを出してもらう運動に取り組み、会員を増やしている」と述べました。また事務局次長の横山昭三さんは、「米価下落は農家が米を作りすぎたからという攻撃に対し、国産米は不足状態。過剰なのは輸入米だという論陣をはってきた唯一の団体だ」と述べ、今の米情勢は百万トン規模の増産を必要としており減反などしている場合ではないと批判。全農・大手業者が中心の流通
に対抗する軸になろうと呼びかけました。
学校給食への食材提供広がる
学校給食では、山形・庄内産直センターの菅井巌さんが、「子どもたちの胃袋を(パンからごはんに)取り戻す運動」と位置づけ、都内の八十五校に庄内米を供給していること、しかし「単価が安い。国や自治体に支援を求めたい」と発言。またふるさとネットワーク事務局の石田重信さんは、大見本市に来た六人の栄養士さんを手がかりに学校を訪問、じゃがいも・タマネギ・にんじんのリレー出荷や果物の注文など、学校給食への食材供給が広がっていることを報告しました。
農民の心に誇りと思い呼び起こせ
仲間づくりでは、産直ネットワークいばらきの山口徹さんが、二万四千枚のチラシを配布して準産直米を呼びかけたことや、スーパー銭湯との米取引ではおいしい炊飯の講習会を開いた経験を紹介し、「地域に広がっている」と述べました。ふるさとネットワーク副代表の根本敬さんは、福島・安達地区で一万八千枚のチラシをまいて準産直米の説明会を開催した取り組みを報告、「役員がその気になり、農民の心に誇りと怒りを呼び起こそう」と訴えました。
また青森県農民連産直ネットの中沢義人さんは「津軽地方では、広範囲な雹(ひょう)害で農家は生産意欲をなくしています。ぜひ、“ほほえみリンゴ”の販売協力をお願いします」と述べました。
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連帯のあいさつを農民連の白石淳一会長が行い、来賓として日本共産党・参議院議員の紙智子さん、全国食健連事務局長の坂口正明さん、新日本婦人の会副会長の玉田恵さんがそれぞれあいさつ。全日本教職員組合など十二の団体からメッセージが寄せられました。
(新聞「農民」2008.8.11付)
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