「農民」記事データベース20080728-838-09

旬の味


 農水省は「今年の減反の達成率が目標の七〇%」と中間発表した。約七万ヘクタールの減反だ。原油と食糧高騰中で、しかも食料自給率が三九%という日本が、主食の生産を制限している。カネを出せば、いくらでも農産物を買える時代ではなくなったというのに▼国内の農業は、耕種も畜産・酪農も価格安だというのに、肥料などの生産資材が高騰し、経営破たんの状態だ。消費者の動向は、ギョーザ事件の影響もあって本物志向・健康志向にはあるが、産地表示を気にしながら、実際はまだまだ安いもの、外国産に手がいくようだ▼自民・公明両党に支えられた福田内閣は、何一つ手を打とうとしない。農村は憩いの場であり、農業は国の基のはずなのに、「農業は遅れた産業だ」と言って規制緩和だ、農地制度の見直しだと声高にあおる財界▼安全・安心の食糧を安定して生産する方策など、百姓自身が消費者に訴え、産直を全国に広げよう。消費者と固く手をつなぐとき、日本の農業を守る大きくて強い力になる。

(実)

(新聞「農民」2008.7.28付)
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2008年7月

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