「農民」記事データベース20080721-837-06

日・比EPA署名から1年10カ月
今も続く現地での攻防

批准ノー、広範な市民運動

関連/住宅用の火災警報器


 小泉首相(当時)とアロヨ大統領が公式署名した二〇〇六年九月から、すでに一年十カ月。日本・フィリピン経済連携協定(JPEPA)が、いまもフィリピン側での承認が得られず凍結状態のままです。

 盛り上がる運動

 農産物では日本向けパイナップルやバナナの関税が引き下げられましたが、有害廃棄物を含む数多くの工業製品輸入が自由化され、自動車・電器など日系企業の投資自由化も約束させられました。一方では、看護師など医療関係者の日本への流入促進と日本での免許取得が義務づけられ、協定内容にあわせて国内法が改められるなど、フィリピンでは「憲法違反の協定」として、多くの市民運動が幅広く連帯して反対運動を発展させてきました。

 両国政府は、〇七年末の発効をめざしていましたが、フィリピンでは盛り上がる国民の声を反映して、批准を協議する上院外交委員会で反対派が多数となり、“否決か、条件付き賛成か”が争点になっていました。日本政府からの批准促進の申し入れに、フィリピン外務省は否決を恐れて上院に採決延期を要請しましたが、いまだ棚上げされたままとなっています。

 あわてる日本政府

 あせっているのは日本政府で、締結時につづき再度の公文書交換で現状打開をねらっています。六月半ばの上院外交委員長(女性)の誕生日には、日本大使がわざわざプレゼントを贈り、「憲法違反の協定」との批判に対して、“フィリピン憲法を守る”旨の日本大使署名の文書提出を申し出ました。これを外交委員長が記者会見で公表したことから、全国に報道され、火に油を注いだ結果となっています。

 札幌行動と連帯

 農民連はほかの国内NGOと連名で、昨年十月に続き、今年四月十六日にもすべての上院議員あてに協定の批准を行わないよう、要請文を送りました。

“投げ捨てろ!”とアピールするフィリピン市民(マニラの日本大使館前)

 フィリピンでは七月七日のG8洞爺湖サミット初日、多くの活動家がマニラの日本大使館前で平和的抗議行動を繰り広げ、札幌での行動に連帯を表明しています。フィリピン国民にとっては、今後のEUやアメリカとのFTA交渉にマイナスの前例をつくってはならないと、取り組みを強めています。

(Y・H)


住宅用の火災警報器

不当な倒産・解雇はね返した東日本鉄工労働者が製作・販売

 不当な倒産・解雇による労働争議をたたかい抜いたJMIU東日本鉄工支部の仲間が立ち上げた「(株)アイ・ユーテック」では、住宅用火災警報器「けむタンちゃん」を製作・販売しています。

 火災警報器の設置は、新築住宅ではすでに義務化。また、既存の住宅についても各自治体で義務化が順次スタートしています。住宅火災による犠牲者の約六割が逃げ遅れによるもの。火災の早期発見には煙式の火災警報器が有効です。

 アイ・ユーテック社の住宅用火災警報器「けむタンちゃん」は、防災総合メーカーとして有名なニッタン社製で、日本消防検定協会の検査に合格したNSマーク付きの優れた信頼できる商品です。労働組合が作った会社が、格安で斡旋します。

けむタンちゃん

▼ メーカー価格6900円のところ特価4200円。
▼ 問い合わせ アイ・ユーテックTEL 048(711)7851まで。

(新聞「農民」2008.7.21付)
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2008年7月

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