農の担い手育てる 2年目「ゆいまある」
福島・二本松
今年こそはとテーマは
地球を冷やし地域を熱くする
不耕起栽培でトマトづくり
農業を志す青年を担い手に育てる「ゆいまある」が二年目を迎えます。
昨年は、安達太良山が一望できる福島県二本松市内の遊休農地に加工用トマトを栽培。途中の管理が悪く、草だらけの畑になってしまいました。ジュースの加工も悪戦苦闘。数百本は商品になりませんでしたが、四千本のトマトジュースをどうにか完売。ゆいまある会員も百一人となかなか厳しい出発でした。
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安達太良山をバックにトマト畑で草むしり
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そして二〇〇八年。あらたなテーマは「地球を冷やし、地域を熱くする」―地球を冷やす取り組みとして、「不耕起栽培」でトマトを栽培します。地球温暖化ストップ、食糧主権確立へ向けて、持続可能で「低投入」(農業資材や労力を減らす)の農法が求められていますが、この不耕起栽培は「素人」「農業を志す人」「家庭菜園」に最適な農法。ビニールのマルチ(土を被う)に変えて、自生しているススキやチガヤを使います。五月二十四日には定植作業も無事に終わりました。
その後、生育初期低温にあったトマトは、身を守るために深い緑色になって懸命に育ちました。
頼もしい“助っ人”福島大学生ら援農
六月二十七日、福島大学小山準教授率いる十三人の学生とミライソフト社長と二人の社員、サガデザインの二人が援農にかけつけ、トマト畑でいっせいに勢い良く草むしり開始。見る見るうちに株間の草がきれいにむしられていきます。これは全部いけるかと思いきや、徐々にペースが落ち始め、手の動きが遅くなり、「キツー」「アツイ」「センセイ…」など、だんだん会話も辛くなり…。
なんとか作業が終わると、サクランボ狩り。その後、ゆいまあるの栽培技術担当の大橋新さんから「農について考える」の講義を受けました。
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援農にはげむ福島大学の学生たち
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参加した学生の一人は「ちょっと濃かったですね。でも農業ってこういうとらえ方があるんだなあと思った。ちょっと新鮮でしたね」。ミライソフトの女性たちは「ゆいまあるについて、もっと熱く語りあいたい」と、次なる作業に意欲満々です。
(福島県農民連 根本敬)
「ゆいまある」の年会費(担い手を育てる資金)は一万千五百円。年3回手づくりトマトジュースなどをお届けします。だれでも会員になれます。
問い合わせ先 あだたら産直センター TEL 0243(53)2426
(新聞「農民」2008.7.14付)
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