韓国・100万人ろうそく大行進
アメリカ産牛肉輸入するな
李明博大統領は退陣しろ!!
埼玉・春日部楽農倶楽部 西村正昭さん
現地リポート
埼玉・春日部楽農倶楽部の西村正昭さんは、六月九日から十五日まで韓国を訪れ、ソウルや光州市で行われた「アメリカ産牛肉を輸入するな、李明博(イ・ミョンバク)大統領NO!の大集会―100万人ろうそく大行進」に参加しました。そのリポートです。
身近な問題から政治要求まで
政権揺るがす大きなうねり見た
ソウルで
幅広い参加者にびっくり
韓国の首都ソウルは六月十日、市庁前から光化門手前の世宗路四つ角まで、ろうそくデモ参加者の人、人、人で埋め尽くされました。
午後五時ころには、まだ参加者は少なく、歩くゆとりがありました。しかし時間がたつにつれ、どこから集まって来るのか、幼児を乳母車に乗せた親子連れや小中高校生、背広姿の会社員、スローガンをつけた労働組合員など、見る間に市庁前や周辺の道路は人で埋めつくされ、身動きができなくなりました。
韓国の運動は、警察(戦警)とのハデな衝突を繰り返すという報道しか知らなかったので、子どもから小中高校生、主婦など、幅広い参加者にびっくり。自主的に参加してきていると雰囲気でわかりました。
労働組合では、移動トイレ用に二台の大型車を用意。集会場のいたるところで、ビラやステッカー、ろうそくが、そして無料でペットボトルも配られ、カンパ用のバッジ、Tシャツも販売されていました。そして暗くなってきた午後八時三十分ごろから、そうそくの灯火があたり一面を彩るようになりました。
ステッカーやビラでは、アメリカ産牛肉の輸入再開に反対、競争教育をやめろ、健康保険の民営化反対、水・電気・ガスの民営化反対、大運河構想をやめろ、そして李明博大統領は退陣しろなど、身近な問題から政治問題までスローガンを掲げています。
|
Tシャツには“ろうそく集会に参加しましょう”との呼びかけが… |
韓国の友人は「学校給食には牛肉がたくさん使われている。子どもたちは学校で食べている肉がアメリカ産だと知った。インターネットでアメリカ産牛肉の危険を知り、反対しようとの呼びかけが広がっていった。自らの問題として、子どもたちも集会に参加している。しかもインターネットで集会が実況中継されるので自宅にいても様子がわかり、じっとしてはいられないという思いが広がっているのだろう」と教えてくれました。
光州市で
要求書かれた千代紙ズラリ
六月十三日には、光州市の集会にも参加しました。一九八〇年、韓国の民主化運動で市民ぐるみのたたかいをした光州市。軍事クーデターを起こした全斗煥(チョン・ドゥファン)独裁者に反対する光州の五・一八民主化闘争の中心地となった道庁前近くの錦南路に、大型車を駐車させ舞台を設置。午後七時過ぎに集会が始まりました。ここでも制服姿の中高校生、乳母車を引いた母親、仕事帰りの会社員などが集まり、どんどん広がっていきました。集会の始まる前には、道路に立てかけられた板壁に千代紙に要求が書かれ、何百枚も張られていました。
ソウルと光州市の集会では、自らの要求で参加しているという雰囲気を実感しました。韓国の友人は「あなたは非常にいい時期にこられ貴重な体験をされた。李明博大統領は急速に国民の信頼を失っている」と言っていましたが、アメリカ産牛肉の輸入に反対する運動は、韓国で大きく盛り上がり政権を揺るがしています。
日本でもおおいに運動を進め、世界の仲間と連帯して、G8洞爺湖サミット対抗行動を成功させなければという思いを強くしました。
(新聞「農民」2008.7.7付)
|