食品分析センターが再び調査低米価の正体・くず米の実態追う 第2弾前回よりさらに品質が悪化
政府はくず米混入規制せよ米食が注目され、米の消費拡大が声高に叫ばれるなか、米の食味を落とす、粒が小さい砕米、奇形米などのくず米が、主食用に混入され、格安で販売されています。農民連食品分析センターは、その現状を調べました。米農家はいま生産コストを大きく割り込んだ厳しい米作りを強いられています。それでも、農家は「いい品質の米を消費者に提供しよう」と懸命に努力しています。 ところが一部の業者によって、わざわざくず米が混ぜられ、超安値で売られています。輸入米などと並んで、このくず米が米価を引き下げる役割を果たしているのです。 食品分析センターは昨年十一月から十二月にかけて、二度目となる格安米の実態調査を実施。都内や埼玉県南部のドラッグストア、ディスカウントストアなどで購入した五キロ入りの米が対象です。二千百九十円から千二百五十円の超低価格の米まで十九検体を検査。一・八五、一・八、一・七ミリの網目の入ったふるい三つを使って振り分け、それぞれの網目をくぐり抜けて下に落ちた米の割合を調べました。 その結果、一・七ミリ未満の一番下に落ちた網下米の割合が二〇%以上のものは五件。一九%は一件。なかには六〜七割にのぼるものが二件もありました。 前回の調査では、一・七ミリ以下の網下米は二十一検体中二件。一九%の二件をあわせても四件でした。前回よりも品質は悪化しています。 くず米は、天候不順などで十分に育ちきれなかった米で、農家がふるいを使って選別した際に落ちた米。本来は、みそ、せんべい、家畜の飼料など加工用に使われます。 二〇〇四年の規制緩和で、米業者は届出さえすればだれでも営業ができるようになり、業者の守るべき品質基準もなくなりました。あるのはJAS法の表示基準だけであり、「複数原料米」とすれば、中身は何を使ってもいいことになっています。消費拡大を叫びながら、食味を落とすくず米混入の放置は許せません。
政府・農水省は、主食の米をまともに流通させる責任があります。業界に自主基準を作らせるだけでなく、米の流通 に責任を持つべきです。 当面、表示を当たり前の米と区別できるよう対策をとるなど、くず米の主食への混入を厳しく規制すべきです。 くず米問題はテレビや週刊誌などマスコミにも取り上げられ、大きな社会問題になっています。
くず米の多さにびっくり区別して販売を…米穀卸売業者の全国団体・全国米穀販売事業共済協同組合 安藤勲常務理事 くず米問題については、「規制すべきだ」という組合員の声も強く、われわれも問題意識を持っています。品位確保のためにどうしたらいいのか議論しています。規制は困難ですが、優良の米と低品位の米とが差別されることなく売られているのは問題です。販売業者の守るべきガイドラインも実効性は必ずしも十分とはいえません。 消費者が求める以上、低品位の米の販売を止めることはできませんが、当たり前の米を何らかの形でメリット表示できないか検討しています。
消費者を裏切る行為お米屋さんの全国団体・日本米穀小売商業組合連合会 長谷部喜通理事長 低所得者などが、低価格の米を「安いから」と、買うケースが増えています。一方で、価格だけで選ぶ消費者ばかりではありません。安全・安心で生産履歴もはっきりしている米だったら、少しぐらい高値でも売れています。米屋のブレンドは、品質の安定や米の値打ちを高め、食味を向上させるもの。くず米混入は米の値打ちをおとしめ、農家も消費者も裏切る行為です。 日米連は、お米のよさを消費者との対話を通じて伝える「お米マイスター」に取り組んでいます。米屋は、地域で信用を第一に商売しています。
もっとモラルもって東京都目黒区の米屋・株式会社スズノブ 代表取締役・西島豊造さん くず米が混入した米は、米屋のプライドにかけても店頭に出せないし、一・八ミリ以下でも売ることはできません。売る側はもっとモラルを持ってほしい。人間の食べるものではなく、うちでは、鳥のえさとして販売しています。低米価で農家が困っているときに、くず米を流通させるのは問題です。いい米を買ってもらうことによって、農家の思いを消費者に伝え、農業の振興や地域の活性化を図る。これが米屋の役割だと思っています。
産直運動ひろげれば新日本婦人の会東京都本部 産直担当・根本かおるさん 農民連食品分析センターが行った、ふるいを使った米の実験をテレビで見ました。また分析センターの八田純人さんに、私たちが産直運動で契約しているお米とディスカウントストアの格安米とをふるいにかけてもらいました。ふるい落とされた米は、産直米がほんの数粒だったのにたいし、格安米は大量に落ちていました。くず米の多さに驚きました。 子育て中の若い人が、この格安米を買い、「おいしくない」と言って、米離れが進んでいると聞きますが、若い世代こそ本物の味を知ってほしいと思います。農民連と新婦人との産直運動をもっと広げていきたい。
(新聞「農民」2008.7.7付)
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[2008年7月]
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