「農民」記事データベース20080630-834-17

旬の味


 田植えが終盤となり、いつもならホッとする時期なのに今年は違う。燃料、肥料、農薬などあらゆる資材が値上がりしているのに、米の売値は安く今後の見通しが立たない。各地の災害も気になる▼田植えの季節は、トマトの収穫時期と重なる。今年も評判の甘いトマトが実った。“待ってました”とばかりに、毎年楽しみにしているお客さんと直売所での会話が弾む▼優良な農地と里山をつぶす仮換地指定通知書が届いた。六十日以内に異議申し立てをしなければ仮換地指定を認めたことになってしまう。COP10(生物多様性条約第十回締結国会議)が二〇一〇年に名古屋市で開催される。農民は生物多様性のど真ん中にいる存在だ。よく見て聞いて考えて、農を営むのが農民。ここの里山の環境はすばらしいと言われるが、その風景を作り出しているのも農民だ▼いま農業への注目度が高い。しかし、何もしなければ開発はどんどん進む。わが家はあと何年持つのだろうか。不安ばかりが募るこのごろである。

(る)

(新聞「農民」2008.6.30付)
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2008年6月

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