「農民」記事データベース20080630-834-02

岩手・宮城内陸地震 田んぼに深刻な打撃

農民連笹渡事務局長 現地で被災組合員激励


 地震発生から五日目の六月十八日、農民連本部から笹渡義夫事務局長が被災地に入り、組合員を激励しました。

 笹渡さんはまず、県連会長の鈴木道夫さんと宮城県栗原市の文字(もんじ)地区に入りました。ここは道路ののり面が崩壊して、下を流れる川をせき止めています。放置しておけば「土砂ダム」になるところ。いま、重機が二台入って土砂を取り除いていました。

画像 地元の鈴木健三さんは「田んぼに水を引く用水路が壊れ、十町歩が干上がってしまった。イネにとって今が大事な時期。土地改良区で話し合うことになっている」と、早期復旧を求めました。

 岩手県では、県連の岡田現三事務局長の案内で、まず一関市の厳美(げんび)町へ。前県連会長阿部四郎さんや西磐井農民組合の高田一郎事務局長らと本寺地区の用水路を視察。

 ここの農家組合長で組合員の佐藤冨治美さんは地震直後、仲間といっしょに用水路の水を確保しようと復旧に全力をあげました。「対策が早かったので、なんとか田んぼの水は確保できそうです」と佐藤さん。

 壁が崩落し土蔵がこわれた組合員さんを激励したあと、奥州市胆沢地区へ。県連副会長で胆沢農民組合長の黒沢敏明さんらと、けい畔に大きく亀裂が入った中野明さんの田んぼを視察(写真)、「このままでは皆無だな」との悲痛な声が上がります。また、上流の胆沢ダムに亀裂が入り、水を抜いたため、下流の広範囲な田んぼが干上がる事態も想定され、早く手を打たないと手遅れになります。

 笹渡さんは「かなり地盤がゆるんでおり、これから梅雨の時期を迎え二次災害が心配だ。徐々に農業への被害状況もわかってきた。要望をまとめて、暮らしと農業の再建に全力をあげたい。近く、国にも要望したい」と話しています。


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(新聞「農民」2008.6.30付)
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2008年6月

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