「農民」記事データベース20080616-832-03

農民連が農水省交渉


MA米の輸入を中止せよ
政府は米の流通に責任もて
強制減反やめ増産に転じよ

 町村官房長官は五月三十一日、「世界で食料不足の国があるのに、日本で約五割の減反をしているのはもったいない」などと減反の見直しに言及。また、農水省は五月二十七日、政府備蓄米の売却(試行)を再開しました。

 こうした米の情勢を受けて、農民連は六月二日、若林農相に対してミニマム・アクセス米(MA米)の輸入中止と政府備蓄米を放出にいたった原因と責任などについて、申し入れました。

(農=農民連)義務でもないMA米の輸入は中止せよ。

(省=農水省)政府見解(一九九四年五月二十七日、衆院予算委員会)どおり、輸入中止は国際約束に反する。

(農)四月二十一日には、国際価格が高騰して成約できず、七十七万トンに達しなかったではないか。

(省)輸入機会を閉ざしたわけではない。今回は例外規定だ。

(農)不要なMA米を輸入し続ければ国際価格をつり上げ、飢えに苦しむ人たちに道義上も許されない。今後も義務だと言って輸入し続けるのか。

(省)当面、輸入しない方向で検討している。国際的に悪影響を与えてはいけない。

(農)日本はMA制度の撤廃をWTOに強力に働きかけるべきではないか。

(省)誰が言い出すかは別にして、その議論は必要だ。

(農)政府はフィリピンに二十万トン支援することを決めた。ほかにはエサ用に七十万トン、加工用にも四十万トン充てなければならない。MA米の在庫はなくなるのではないか。減反しないで増産に転じるべきだ。

画像(農)「過剰」なはずなのに、なぜ政府米を放出するのか。

(省)一部の玉で不足が見られる。理由はわからない。試行で一万トンを売却するが、市場に悪影響を及ぼすようなら中止する。

(農)「過剰、過剰」と言ってきた〇七年産は、過剰ではなかったのか。それとも、一部の大手卸が買い占めているというのか。どちらにしても農水省の責任ではないか。

(省)六月末に調査するので、米不足の原因もわかるのではないか。

(農)中小卸や米屋は悲鳴をあげている。原因は大手卸だ。一方では、量販店にジャブジャブ安値で流している。米の流通に政府が責任を負わなくなった結果ではないか。

(農)千葉では田植えが終わったのに、今も減反説明会が開かれている。減反の第二ステージは「青刈り」ではないか。いまこそ増産を呼びかけるべきだ。

(省)「青刈り」だけではない。需要が限られているなかで、減反は必要だ。米からほかの作物への転換を求めている。

(農)町村発言のように、減反を見直すのか。

(省)水田を使って麦や大豆を生産してほしいと、呼びかけている。作らせないということではない。町村発言の真意はわからない。

(新聞「農民」2008.6.16付)
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2008年6月

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