「農民」記事データベース20080609-831-20

旬の味


 羽を痛めた鳩が私の野菜畑に来ました。畑の隅でじっと草に隠れるように休んでいます。「飛べないのかね」と、どうしたものか夫婦でホウレンソウの収穫をしながら心配の毎日です▼三日目の雨上がりの朝「いました、いました」と一安心。その時、別の鳩が舞い降りてしきりに飛べない鳩をつつきはじめました。ケンカでしょうか? 違いました。一羽の鳩が飛び去ったすこし後「バタバタ」という音に振り向くと、力強く飛ぶ鳩の姿! 思わず拍手をする私たちでした▼私たち人間の社会、紙切れのように使い捨てられる若者、生きることの尊厳を差別される高齢者。心と体に傷を負った人たちに、鳩の姿が重なります。ゆがみつつある社会のものさしが「競争」であれば、農民が大切にしたいものさしは、「共同」なのでしょう▼協同組合の理念が輝きつつある今、おりしも総代会シーズン。売り上げやコストという視点とともに一人一人が大切にされる社会に向け、力を合わせる事を確認する機会にしたい。

(畑)

(新聞「農民」2008.6.9付)
ライン

2008年6月

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