本の紹介
どうする国有林
笠原義人氏ほか著
国民のための国有林再生求める政策提言
この本は、東京林業研究会(山本千秋代表)国有林部会に所属する会員が企画し、執筆・編集したものです。著者は宇都宮大学名誉教授の笠原義人氏、元林野庁職員の香田徹也氏、福島大学教授の塩谷弘康氏、北海道大学名誉教授の石井寛氏。
二〇〇六年五月に行政改革推進法が成立し、国有林野事業の解体・分割・独立行政法人化の方向が決められました。これは、国有林野事業やその財務会計のあり方が、一九九八年の抜本的改革で検討されたことをまったく無視し、ただひたすら、「特別会計改革」「特別会計廃止」を推進するために、事業・経営形態を「独立行政法人」に移管させるものでした。
さらに、緑資源機構の廃止(二〇〇八年三月末)ともかかわり、国有林改革関連法案が二〇〇九年の通常国会に提案され、二〇一〇年四月から新体制へ移行されようとしています。二〇〇八〜〇九年は国有林「改革」作業が具体化する重要な時期にさしかかっています。
わが国の森林を健全な状態に再生させ、貴重な森林資源を次世代へ確実に手渡すために、私たちはいま何をなすべきか?本書は、地球温暖化防止と国有林のかかわりや各国の国有林改革も紹介しながら、解体・分割されようとしている国有林野事業の「改革」方向に異議を唱え、真の国民のための国有林の再生を求める政策提言を企図したものです。また、長野県木曽町長の田中勝巳氏など五氏が、現場から説得力を持って訴えています。
▼定価 1600円+税 ▼リベルタ出版 TEL03(3293)2923
(新聞「農民」2008.6.9付)
|