「農民」記事データベース20080602-830-11

旬の味


 飢えをしのぐため、天日で「泥のビスケット」を焼く女性。外電が中米ハイチの食料危機を写真入りで報じた▼ハイチでは米や豆の価格が二倍、三倍と高騰したため、住民が怒り暴動に発展。混乱を防げなかったとして、首相が更迭されたばかり。暴動後も、ハイチの食料事情はまったく変わっていないことがわかった▼いくら食べものが不足しているからといって、泥と塩、植物油を混ぜあわせた“ビスケット”を食べることができるのか。不審に思い、戦前の食料不足を経験した年配の人に聞いてみた。「あぁ、何もなければそのくらいのことはするなぁ」―胸が詰まった▼いまや環境を守り、食料を確保するためにも、地球的規模での備蓄、食糧増産運動が必要になっている。日本政府が“お手本”にしているアメリカでさえ、五年間で農業補助金を三十一兆円も支出するそうだ。今年度の農林水産予算は約二兆六千億円。G8サミットが近づいた今、日本政府は地球環境を守るためにも、食料生産に全力をあげるべきだ。

(慎)

(新聞「農民」2008.6.2付)
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2008年6月

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