「農民」記事データベース20080602-830-01

結成25年 農民組合が地域の“主役”に

千葉・木更津市

 千葉県木更津市の牛袋地区を中心に活動する木更津農民組合は、ナシの産直販売と税金申告を契機に結成され、以来二十五年余り。米部会、ナシ部会、野菜部会、税金部会、そして営農部会を中心に、ものづくりと税金申告の取り組みなどで組合員を増やし、組織を大きくしてきました。いまでは、自治会や農家組合、土地改良区の役員など地域の主だった役職を組合員が担っています。

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米・野菜づくり・税金・営農…なんでも相談

農家のあつい信頼うけ

画像 五月十一日、牛袋地区では田植えを終え、農家が集まって“さなぶり”を地区あげて行いました。いままでの“さなぶり”は日程だけ定めはしましたが、みんなが集まった行事は何もありませんでした。「若い人から“みんなで何かしようや”」と声があがって、さっそく各団体の主な役員(ほとんどが農民組合の組合員)が集まり、行事が決定。当日は五十人余りが集まり、まず農民組合長の杉山寿一さん(68)が地元の神社に豊作祈願の“祝詞(のりと)”をあげたあと、それぞれの田んぼを見てまわりながら県の農業改良普及センターから稲作の技術指導を受け、そして赤飯と柏餅で懇談しました。

 勤め人が多い地区ですが、四十代、五十代の若い農家が久しぶりに集まり「ためになった」と喜んでいました。予想を超える参加に、杉山さんは「いまの食をめぐる情勢を反映しているのでしょう。地域の農業やこれからのことについて、話し合いの場が持てることが一番大事なこと」と話しています。 

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田植えを終えた水田を前に、組合長の杉山寿一さん(左)と米部会長の平野駿さん(右)

 ライスセンターも自前でつくる

 またこの地域では、農民組合が中心になって国の農地・水・環境保全向上対策をつかい、県の“エコ農業”の資格もとって、地域ぐるみで減農薬の米づくり―「有機米の里・牛袋」に取り組んでいます。自前のライス・センターを立ち上げ、農薬や肥料は農民連指定のもの。以前から有機肥料を使って栽培してきた農民組合の経験が、“これならやれる”との確信になり、地域に呼びかけ、いま三十五軒の農家が参加しています。また“高齢で後継ぎもなく、もう米づくりは続けられないから”と、農民組合に水田を委託する農家が増え、いまでは四ヘクタールに。米部会代表の平野駿さん(71)は「農民連の準産直米で、有利な販売ルートをつくっていきたい」と話しています。

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“さなぶり”に集まった牛袋地域の農家の人たち(5月11日)

 直売所には百人の農家が参加

 農民組合が運営する直売所「農村スーパー四〇九」、大きな豚の看板が「いらっしゃいませブー」と来客を呼びかけています。約百人の農家が旬の野菜や加工品などを持ち込んでいますが、「ギョーザ中毒事件以降、新しいお客さんが増えた」そうです。

 これまで培ってきたものづくりと税金の取り組みで信頼のあつい農民組合が、地域を守り農家の経営を支えています。

(新聞「農民」2008.6.2付)
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2008年6月

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