温暖化、待ったなし
「公害・地球懇」がシンポジウム
|
「公害・地球懇」のシンポジウム
|
「待ったなしの温暖化を考える――洞爺湖サミットへエコウエーブを」――公害・地球環境問題懇談会(略称 公害・地球懇)のシンポジウムが五月十日、東京都内で開催され、農民連、新婦人、全国公害被害者総行動実行委員会、弁護士、科学者など約百人が参加。エコ・グリーンウエーブの一環として温暖化対策を求める署名への取り組みが提起され、熱気にあふれた討論が交わされました。
代表幹事の小池信太郎さんが「地球温暖化対策の前進の決め手は、国民世論と私たちの運動です。実態をよく知り、広げ、大きな世論を巻き起こしましょう」と開会あいさつ。つづいて「地球環境と大気汚染を考える全国市民会議(CASA)」の専務理事で、全国公害弁護団の弁護士でもある早川光俊さんが基調講演を行いました。
早川さんは、気温上昇を産業革命以前から二度以内に抑える重要性を強調し、「すでに〇・七四度上昇しており、さらにどんな対策を取っても一・一度の上昇は避けられないと予測されている。すぐに対策が必要」と述べました。
その上で、「温暖化対策は、温室効果ガスの大排出源となっている大企業・産業界の規制が不可欠だ。しかし日本政府は産業界の自主行動計画に対策を丸投げし、削減目標すら決めていない」と日本政府の温暖化対策を強く批判。「国際合意をつくるこの二年間が、世界の未来を決める。こんな政府を許さず、市民運動を起こそう」と呼びかけました。
パネルディスカッションでは、環境NGO「気候ネットワーク」の桃川貴子さん、「高尾山市民の会」の橋本良仁さん、公害・地球懇の大嶋茂男さんが登壇。桃川さんは、日本の二酸化炭素の全排出量の半分を、たった二百三十事業所が排出していることを紹介し、「市民の声を政府にぶつけていこう」と訴えました。橋本さんは、温暖化対策に逆行する道路行政を強く批判。「環境を守る運動は、人と生き物のいのちを守るたたかいだ。公害や道路建設反対の運動と広く合流しよう」と呼びかけました。
会場討論では、地球温暖化と食糧主権について農民連の真嶋良孝副会長が発言。新婦人川口支部の黒河内京子さんは、身近な生活と結びついた地域からの環境問題への取り組みを報告しました。また、全国をキャラバンして洞爺湖サミットの対抗行動に駆け上がる取り組みを報告したノーモア水俣訴訟原告団など、熱意あふれる発言が相次ぎました。
(新聞「農民」2008.5.26付)
|