奈良で男女青年交流会
まじめな出会いがほしい
噂が噂を呼んで総勢48人も
「はじめまして!」「こんにちは!」――青空がまぶしく晴れ上がった四月二十九日、奈良県農民連が「男女青年交流会」を開きました。「参加条件」は、まじめな出会いを考えている独身男女。二十〜三十代(一部四十代も)の男性二十三人、女性二十五人、総勢四十八人が参加する大イベントとなりました。
自分の農業について熱っぽく語る人
“農家にお嫁にいきたい”という人
先輩農家から特別講義うけて
交流会場は奈良県農民連の事務所。緑萌える里山の上にあり、ウグイスが鳴いて春まっさかりの美しさです。男性軍だけは三十分前に集合し、先輩農家が特別講師になって、なにやら密談中。どうやら「男の心がまえ」を伝授している模様です。
ちょっと緊張した面持ちで参加者全員が集合し、いざ交流会がスタート。男女とも四グループに分かれて、国産牛肉のバーベキュー、つきたてのお餅などに舌鼓を打ちつつ、自己紹介したり、おしゃべりしたり。農業について熱く語る人、なかなか話せない人、農業とまったく違う話でにぎやかなグループ。盛り上がり方も人それぞれです。「やっと打ち解けてきたかな」と思った矢先、「席替えしまーす! 女性は隣のグループに移動してくださーい!」。
自由時間の後、締めくくりはビンゴゲーム。男性軍が持ち寄った自慢の農産物がプレゼントされ、大盛会のうちにお開きとなりました。
青年の結婚問題は地域の未来につながる
女性の参加者はほとんど非農家
ことの始まりは、「まじめな出会いの場がほしいな…」という、独身で非農家の女性の小さなつぶやきでした。昨年十一月から南和農民センターの専従になった相良(さがら)和哉さんが、女性の友人とおしゃべりしていた時のことです。相良さんはさっそく県連事務局長の竹島茂直さんに相談。「最初はもっと小さな“合コン”を考えていたのに、噂(うわさ)が噂を呼んでどんどん参加希望者が増えてしまって」と相良さん。竹島さんも「こういう要求がこんなに強いなんて。農民運動ってまだまだ可能性は広いなぁと思いました」と言います。
参加した男性は全員、農業青年。半数は農民連会員ですが、半数は非会員です。新聞「農民」にチラシを折り込んで呼びかけ、その知らせを聞いた組合員が地域の農業青年に声をかけ、男性の参加希望者はあっという間にふくらみました。「あらためて農業青年の結婚問題は、地域の未来と結びついているんだなあって思いました」と相良さんは言います。
一方、女性の参加者は、ほとんどが非農家です。相良さんや農民連会員の友人・知人のほか、農民連でご主人と知り合い結婚したばかりの乾(いぬい)ゆきさんが友人などを誘いました。
TTデザイナーの三十代の女性は、「食べることが大好きで、農業をしている方といい出会いがあったら、一緒に農業をしていく生き方もいいな、と思って参加しました。来て本当によかったです。またこういう場を設けてほしいな」。大阪で事務職のOLをしているという女性は、「男性が農家と知らずに参加しましたが、今の私の周りにはいないような人が多くて、話していてとても楽しかったです」。
一方、男性の方は、「時間が足りなくて、話せなかった…」という声が多く、「恋人はすぐには難しいけど、同世代の農業青年と話せたのが大収穫だった。青年部などでこういう催しがあったら、ぜひまた参加したい」という声も多数でした。
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ちなみに事務局には、この二週間後までに五組のカップルから連絡をとりあっているとの報告あり。スゴーイ!
(新聞「農民」2008.5.19付)
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